Appendix 3 登場人物紹介(2)
※ 妖怪篇「Report13 暗雲」までのネタバレを含みます。
〈妖魔同盟 Y∴A∴(因幡派)〉
術師結社・妖魔同盟の重鎮で、実質上の代表。賢治とイソマツの副担任であり、桐野・イソマツの保護者。正体は鎌鼬の真祖。ハシバミ色の長髪を結わいた髪型で、ややのっぺりした顔の青年。思慮深く穏やかな性格で常に敬語だが、怒ると誰よりも怖い。円月剣風流というカマイタチを用いた剣術を使う。若く見えるが、実はヒト換算で肉体年齢は40歳近い。
術師結社・妖魔同盟のトップだが、滅多に表へ出てこない術師界の陰のドン。徳長の師匠。蓬髪に黒い単着物に丸サングラスと、完全にヤクザ。飄々としてつかみどころのない性格。噺家のように、話すとき扇子を自在に操るクセがある。「ン」。化けガラスの亜人らしいが、能力の詳細は不明。
魔導神経外科医。赤毛の鬼太郎ヘアーで、極めて整った顔立ちの青年。ぶっきらぼうな態度だが使命感が強く、医者であることに矜持を抱いている。
喫茶店パメラの店主。童顔で奥二重の青年。虫も殺せないような笑顔を常に湛えているが、実際は腹黒な性格で人の弱みを握ってからかうのが大好き。飛行箒の運転が得意。国防魔導軍空部軍団の将校だった頃は諜報活動をしていて、そのとき培ったノウハウで現在は裏で情報屋を営んでいる。猫好き。
徳長の部下。諜報や隠密行動を行う。顔はパーカーのフードやマスクで隠されており、よく分からない。女性の方が日麿で、男性の方が月麿。真面目な性格な日麿に対して、月麿はちゃらんぽらんで時々スキを見てサボる。亜人だが、どんな亜人なのかは徳長しか知らない。
〈退魔連合 T∴U∴〉
術師結社・連合の代表である陰陽大臣。安倍晴明の嫡流である五星院家の当主。薄い八の字ひげとフォックスメガネがトレードマーク。対立する相手に対してはネチネチと追及する陰険さが目立つが、支援者や身内にはとても優しい。プライベートでは奇矯な行動も目立つ。底と隙を見せない、敵にすると極めて厄介な策士タイプ。
色高校生徒会副会長。ボーイッシュな外見通りの溌剌とした性格で、男女問わず人気を集めている。実は「橙崎」というのは汎人界での名前で、本当は五星院の分家である山吹家の少女。連合の特別諜報員として五色高に潜伏し、かつての知り合いだった麻枝を逮捕する機会を窺っていた。
円島魔導警察署・機動捜査隊隊長。階級は警部補。丸坊主の糸目の巨漢。昔の警官のような威圧的な態度を取るが、実際は情に篤く子どもに対して優しい紳士的な人格の持ち主。家族には、多くの兄弟と駄菓子屋の祖母がいる。維弦とは、高校のときからの付き合い。
エルワン・
陰陽保安局・遊撃捜査隊「七曜」の初動捜査班班長。二等陰陽保安士。アフリカ系のクォーターで、極めて体格が良い。サングラスをいつもつけている。厳つい外見に固い態度と、身内の人間への面倒見は良いとのこと。五星院真の信奉者。趣味は筋トレ。
魔導貴族・保守六大家の一つ、廣銀家の出自。反亜人政治術師結社「
〈マガツ〉
全身赤づくめの衣装を着て、都市伝説妖怪「赤マント」の由来となった伝説のテロリスト。彫りが深く、国籍不明の雰囲気を醸し出す長身男性。魔術と超能力が違法だった戦前の日本において、妖魔同盟から袂を分かち、国家転覆を謳う魔導人民主義魔術結社ロマネスクを結成。だが、連合の前身である特別憲兵隊に壊滅させられる。国外逃亡して、47年前にリチャードソンを暗殺した。消息不明だったが、麻枝との戦いにより数年前、マガツという術師結社を結成し、術師界の転覆活動を始めたことを知る。賢治と現世の持つ〔鍵と扉〕の力を手中におさめ、リチャードソンと術師界の権威を失墜させることが目的。
マガツの幹部・
マガツの幹部・十干の一人。信州自治区で栄える眠り松を育てる、眠り松使いの亜人の少年。術師界行政府に生家の土地を、卑劣な手段によって奪われる。術師界に復讐を誓い、地元の飛行箒暴走族・信州スリーパーズのメンバー全員でマガツに入団した。度つきゴーグルと緑のニット帽がトレードマークで、名前と背が小さいことがコンプレックス。
マガツの幹部・十干の一人。松元にそっくりな恰好をしているが、白いラバーマスクを被っている。マガツの幹部・
マガツの幹部・十干の一人。山の妖獣をひきつける炎を操る、釣瓶落としの亜人の真祖。内向的な性格で、四白眼にあばた面、ややぽっちゃり体型という自分の容姿にコンプレックスを持っている。濃州自治区出身。大学で魔導生物学を研究していたが、担当教員であるヒトの男性術師によるパワハラとセクハラに遭って精神疾患になり、中退する。男性向けラノベに偏見を持っているが、これは作者の思想ではなく彼女の思想である。念のため。
マガツの幹部・十干の一人。いかめしい顔つきをした大男。物静かな性格で、詳細はわからない。
浅黒い肌の精悍な男性。術師界の未登録術師対策局職員・筒井夏彦として、汎人界にある五色高のスクールカウンセラーに派遣されていたが、それは偽りの姿だった。正体は、マガツの幹部・十干の一人。土蜘蛛の一族であり山吹家に仕える麻枝家の出身。亜人の友人を死に追いやられ、半ば罠に嵌められる形で投獄されたため、術師界に強い恨みを持っている。
マガツの幹部・十干の一人。ロマネスクからの松元の部下。レイ而は弟。大きなハンマーを錬成して振り回す筋肉隆々の小男。強盗の常習犯。熊本弁を話す。生業は鋳物屋だったが、大ざっぱな性格から作業が雑で「向いていない」と判断されて、出家する。だがすぐに破門され、殆ど身についていない。
マガツの幹部・十干の一人。ロマネスクからの松元の部下。シデンは兄。詐欺師だが、致命的なほど感情に流されやすいナイーブな性格。偉そうなことを言う割に自主性が極めて低く、ロマネスク時代から基本指示待ち。
まだ汎人界にいた頃に、桐野を助けた女性。中性的な美しさを湛えていて、左目が隠れたアシンメトリーの短髪が特徴。目はサファイア色。冷淡で素っ気ない態度に思えるが、実際には思慮深く、打ち解けた人間には優しく接する。川の水を様々な形に変えて攻撃する超能力を操る。実はマガツの幹部・十干の一人で、松元の組織ではロマネスク時代からの古株。自分を助けてくれた松元に心酔しており、松元もその熱意を買い、自らの「門」である〔深淵〕を彼女に分け与える。
マガツの幹部・十干の一人。短い茶髪に、筋骨隆々な男性。元国防軍の兵士だったが、後輩をイジめたため除隊される。霊力を吸収する召喚精霊「べとべとさん」を召喚する超能力を持つ。粗暴な性格で、子どもであろうと平気で暴力を振るう。「いけないねえ」が口ぐせ。本作最初の敵であり、こいつが現世を追っているところに賢治が出くわし、物語が始まる。
干/
円島特別訓練魔導学校高等部の生徒会長。賢治たちが、白銀衆によるアンシーライズを止めに入ったことで知り合う。灯と面識がある。朗らかな態度と柔らかい盛岡弁で、優しい印象を与える。その正体は、マガツの幹部たちのまとめ役で事実上の司令塔。5年以上前に、ロマネスクの構成員たちを再結集させてマガツを作った張本人。松元と直接接しているのは彼女であるのだが、素性はマガツの誰も知らない。
〈その他の登場人物〉
賢治の大叔父にして、現保護者。広告代理店スターダスト・プランニングの代表取締役社長。ルーマニア系の母を持つハーフで、極めて頑健な体格の持ち主。寛容な性格だが、賢治の身に危険が迫ると激しく怒る。マイブームはデカ厚系の腕時計。
カク・リチェ 27 ♀ 魔術師(キリスト教系伝統魔術)
円島マルティン教会のシスターその一。現世の通う教会内のフリースクール「めぐみのまなびや」の教員。術師界出身で、現世の事情を知っている。だらしのない性格で、仕事時間外は大抵酔っぱらって寝ている。仕事も大ざっぱで、生徒たちからも呆れられることが多い。だが実際は生徒のことをよく見ていて、問題の抱えていることの多い生徒たちを受け入れる包容力がある。胸が大きく、肩こりに悩まされている。趣味はソクハをからかうこと。
チョ・ソクハ 26 ♀ 魔術師(キリスト教系伝統魔術)
円島マルティン教会のシスターその二。「めぐみのまなびや」の教員。術師界出身で、現世の事情を知っている。真面目な性格で、ちゃらんぽらんなリチェをしょっちゅうどついている。最初はメガネをつけて前髪も完全にヴェールに隠していたのだが、リチェに言われてからは前髪を出してコンタクトをつけるように。
マイケル・リチャードソン 享年60 ♂ 魔術師(現代実戦魔術)
賢治が一番尊敬するアメリカの哲学者。実は精霊術の発明者で、彼と彼の学閥の理論は術師界の魔導教育のスタンダードとなる。術師界をつくった魔術師と言っても過言ではない。豪放磊落な性格で超行動派なため、論敵も多かったようだ。47年前、松元精輝に殺される。
正体不明の魔術師。三角帽にマント、わら箒というオールドスタイルな魔術師の恰好をした、スタイル抜群の美女。11歳の賢治に精霊術を見せる。サッちゃんから「考えることは楽しいこと」であると教えたことをきっかけに、賢治は哲学を志すことになる。どことなく、現世に彼女の面影があるが……?
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