第4話 いつもの会話
俺が待っているとやっとサクラの準備が出来たらしく。
サクラは武器のダガーを装備し俺の前にまたやってきた。
「ほらほらどうどう?今日もかわいいでしょ?」
そんなことを言いながらくるりと回るサクラ。
「はいはい。っか早く依頼見に行くぞ。サクラを待っていたらかなり遅くなったからな」
「今日こそ悪魔退治?」
「……」
何をアホなことを言いだすんだ?と俺が思っていると……。
「うわー、無視だ。無視。酷いー」
なんかサクラは騒いでるが……知らん。
うん。いつものことだ。アホなことを言っていたら無視が無難だ。うん。それが一番相手をしていると一瞬でこっちの命が終わりそうだからな。余計なことを話していたら後ろからぐっさりとかね。モンスターにやられそうだよ。
「……っか。そんな依頼ないだろうが。行きたいなら一人で行ってこい」
「一人は嫌だし。私が襲われたらどうするわけ?死んじゃうじゃん」
「っか。今日こそ楽な町中の依頼ないかなー」
サクラの言っていることは気にせず俺がそんなことをつぶやくと……。
「人に話を聞いてないし。って、クス。毎日そんなんばっかじゃん。冒険者でおまけに便利な身体なのに荷物運びとかさ。警備とかさー。モンスター退治の方が絶対儲かるよ?なんで変な依頼ばかり受けるのさー」
サクラがいつものように俺に文句を言ってくるが……俺の答えは決まっている。
「いやいや、モンスター相手とか死ぬからな?死んだら終わりじゃん」
「この冒険者相変わらずクズだなぁー」
「クズで結構。俺は自分が生きるために働いてるからな。それ以外はしない。危険な事なんてする必要ないからな」
「まあモンスター退治するなら。まともな装備武器もってるよねー。クスなんも持ってないし」
「おまえに言われたくね。裸にダガーじゃん」
「ちょ、今服着てるから。ちゃんと着てるから!装備着たから。って恥ずかしいこというな!」
……何故か部屋の外では……恥ずかしがる謎なんだよな。
普通に室内では素っ裸のくせに……っかその装備外でもめっちゃ周りから見られているが……それは……いいらしい。謎だもうわからんからいいか。うん。俺には関係ないことだからな。
「……ほぼ無防備だろが」
「わたしは避けるのも戦うのも上手だからこれでいいのー」
「マジで訓練所に今から行けよ。ビシバシ基礎叩き込んでくれるよ。いや……無理か」
「ってかクスだって服にダガー、マントだけじゃん。私の事言えないからね」
俺の方を指差しながらサクラが言う。そして上から下へと視線が動いていた。
「おまえみたいに肌は出してないからな!?」
「っかクス。さっきから身体のことばかりじゃん。そんなに私が好きなの?仕方ないなー。部屋戻る?」
「なんも言ってないからな!?っかなんだよ部屋戻るって」
ホント、サクラが居るようになってから朝だけで疲れる。あと時間がどんどん過ぎていく。
なんかサクラの方はケラケラ笑っているが……相手をさせられているこっちはぐったりだよ。
「っか、俺らは人属だから魔法とかないんだからな。わざわざ危険なことしなくていいんだよ。危険なことは便利な能力がある属の方にまかせておけば」
「そういいながらクスの身体は特殊だけどねー」
そう言いながら俺の腕を掴んでくるサクラ。見ても単なる肌だよ。と俺は思いつつ。
「……偶然。たまたまだろ。毒が効かない人属はいないんだからな。あのモンスターがなんか変異してたんだろ?」
「ふーん」
「っか依頼見に行くぞ。ってまあサクラは嫌ならいいが。一人で行くから」
「付いてくし。相棒ほってくなだし」
「はいはい」
と、俺たちは荷物を持ち部屋を出て一階受付。
依頼受注所兼宿受付?とかいうかは知らんが。まあ一階に向かい。掲示板。依頼情報を見た。
が。
「……ない」
俺は掲示板を見つつつぶやいた。
「まあ普通モンスター退治を冒険者にはしてほしいんだよ。町守らないとだし」
「町中の依頼最近少なすぎだろ」
「人手が足りてるいうことだねー。だからこのモンスター退治行こう」
とか言いながら。掲示板に貼られていた「詳細不明。町外で巨大属の影。複数」やらの依頼を指差すサクラ。
「なんで危険なのをすぐ選ぶかね」
「モンスターとバチバチ死闘する方が楽しそうじゃん。報酬も高いし」
「……マジでこいつ森に捨ててくるか。巨大属や植物属と仲良くしてこい」
「酷っ。ホントそんなんしたら一生恨むからね?」
「はいはい」
「捨てたら呪う!」
そんなことを言いながら……なんかぶつぶつ呟いて変なポーズをサクラはしていたが……何してるんだろうな?でもこいつ何か出来てしまうかもしれないので……いやいろいろおかしいやつだからな。とか俺は思いながら……。
「物騒だな……っサクラだとマジでやりかねないから面倒というな」
と、まあ結果としては、探していた町中での依頼がなかったため。俺たちの本日の仕事は……。
「—―洞窟調査か」
「まあモンスター退治じゃないけどワクワクはするね。お宝あるかなー」
以来の紙を見つつサクラが言う。
「サクラが一人でやりたいなら行っていていいぞ?俺もっと安全な依頼来るの待つから」
「はい?クスが選んだんでしょ?」
「わかんねー奴」
洞窟調査。
まあそれは昔の発掘場とか遺跡跡地の警備っか。中の安全確認だな。人属やらやらがいない場所はモンスター、巨大属やらが住処にしてしまうことがあるからな。定期的に依頼が出て中の確認。モンスターいたら退治してくれ。ってやつだな。
ちなみに巨大属やらやら言っているが。
巨大属とは、まあ町に住んでいる人属や神属、犬属、魚属らの敵というか。まあモンスターのこと。
モンスターはたくさんいて昔は小さかったらしい。という記録があるが最近ではどれも巨大化して、人属やらを襲うようになった。そやつらをまとめて巨大属といっている。まあそれぞれ名前もあるが……めっちゃたくさんいるからな。遭遇したらでいいだろう。
まあ巨大属聞いたらモンスターということだ。
あと、植物属とは見た目は木とか植物なんだが。中にはツルやらなんか枝やらやらいろいろな罠?も使って人属とか食べようとしてくる植物があってな。目とかがあるわけではないが。動き?まあ音とかちょっとした振動というのか。まあツルならそのツルにちょっとでも触れたら……みたいな感じだ。とにかく物騒な世界だろ?なんでこんな植物あるんだよ。である。
まあ植物属。これもモンスターでいいか。っか植物属はどこから広がるかわからないんだよな。なんかたまに発生。大発生とかするんだよ。
まあ捕まらなければ巨大属相手よりはるかに楽だが……火とかにめっちゃ弱いし。燃やしたら終わりのパターンもあるからな。
でも捕まると終わりだな。捕まったら溶かされて――いただきます。されるだろう。食うならモンスター食ってくれだが……あれはなんでも食うらしいからな……。
まあとりあえずは受けた依頼に行かないとか。ということで俺とサクラは案内所を出発したのだった。
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