第3話 謎コンビ?

……。

……。

……。


……目が覚めたので起き上がる。


ちょっと身体が痛いがまあ体力は回復したようだ。

俺は首をまわしながら、そして背伸びをしつつ硬い床から起き上がる。


起き上がると俺はいつもの装備に着替える。

寝るときはラフな服装がいいのでね。四六時中外用の装備を着ているのは……だからな身体が休まらないというやつだよ。


現在部屋の小さな窓からは太陽の日差しが入り込んできている。

太陽の明るさがあるということは今日の天気は晴れみたいだ。


すでに室内も明るくなっているため……俺の視線の先には……正しい寝床で布に包まり気持ちよさそうに寝ている奴の顔もはっきり見えてきた。


正しい寝床。


そうだよな。なんで俺が床なんだよ。床で寝ていないといけないのか――だが……まあ仕方ないか。と俺は思いつつ。気持ちよさそうに寝て居る奴に――。


「サクラー!早く起きろ」


ちょっと大きめのボリュームで声をかけると……。


「……まだ体力回復してなーい」


なんかもごもごした声が聞こえてきた。


「サクラは昨日も帰ってきてからすぐ爆睡してただろうが。っか起きてるし」


うん。返事があったということは起きているだろと。俺が思っていると……


「……」


急に静かになった。


「寝たふりをするな。っか。早くなんか着ろ。なんで毎日寝ながら脱ぎ散らすんだよ。脱ぐな言ってるだろうが」


俺はあたりに散らばっている装備……というのか。まあ服?を見つつ言う。


「縛られるの嫌いだからー」

「……マジでモンスターに襲われたらいいのに」


と、俺が呟くと寝たふりをしていた奴が起き上がり……。


「酷っ。相棒に対して酷くない!?クスは私があの気持ち悪い奴らにあんなこととかされてもいいわけ?最低ー」

「うん。危険ってこと学んで欲しいしな」

「ホント最低ー!相棒を大切にしなさい!酷い!もう!」


……同室にいる奴が朝から騒いですみませんである。

多分両隣には筒抜け……だろうが。まあ周りもガヤガヤとすでにしてるから――大丈夫だろう。うん。


そうそう現在俺たちが居るところは、町の中にある案内所。と呼ばれている建物の中にある宿だ。まあ一時的に借りている部屋の中に居るということだな。


独り立ちしたばかりの冒険者がよく使う施設だ。


独り立ちしたばかりじゃ家なんて持ってないからな。って、そんなことはいいか。

まずは目の前の奴を何とかしないとか。


すでに着替え終えた俺の前。

寝床で起き上がりつつ……いろいろ騒いでいる素っ裸の奴は……まあ、わざとなのか偶然か。今は上手に布、毛布?で身体の隠すとこは――隠しているが。

まあ素っ裸に変わりない。


ちなみに奴とは一応女だ……多分な。いや見た目は女なんだが……うん。まあいいや。


あと相棒やらやらと、こいつは言っていたが。

まあなんか訳あり?のこいつを俺が助けたいうか。拾ったいうか。見つけたか。うん。見つけてしまったため。現在は一時保護というか……違うな勝手にこいつが住み着いてきたんだよな。


こいつと出会ってからどれくらいかは忘れたが……そこそこ一緒にいる。

あれ?まだ最近か?まあいい。とりあえず素っ裸で騒いでいるこいつが俺に付いてきている。うん。以上だ。


俺は1人で安全に自分が生活するためだけにできることだけをする。ってことでこの町で冒険者になったのだが……。


冒険者になってすぐくらいだったな。ちょっとミスというか。まあ依頼がね。

良いのがなくて仕方なく受けた依頼の時に、今俺の目の前に居る素っ裸野郎と出会ったんだよ。っか見つけたんだよな。うん。見つけちゃったんだよ。


まあそのことはそのうち話す時があれば話すか。とにかくその時から俺はつきまとわれている。

ちなみに案内所で借りれる宿は基本1人用だから――まあ2人がダメとかではないが狭いんだよ。っか寝床が1つだからこいつが一緒に居るようになってから俺はずっと床。昔の訓練所の時と変わらないという。


せっかく訓練所から独り立ちをしたのにな。

いつまで俺はこいつに付きまとわれるのか……とか俺がいろいろクレームを思っていると……。


「ちょ、聞いてる?クスってばー、朝から散々酷いこと言ったら相棒の事無視ですかー?」


素っ裸野郎が相手をしてもらえなかったからか。こちらを呼んでいた。


「はいはい、聞いてない聞いてないです。全く聞いてない。聞く気もない」

「もう!」


そう言いながら寝床の上でサクラが立ち上がる……って、おいおい立ち上がるな。せっかく奇跡的に隠れていたのが……丸見えじゃないか。

いろいろ制限がかかるだろうが。

っかまあ俺はここ最近毎日のことで慣れてしまったという悲しさなんだが――。


初めての時は意味がわからず鼻血を出したな。うん。こいつ……普通にしてれば超かわいい奴なんだろうが……が。だよ。

今では……もうなんというか。多分あれだな。俺をなんとも思ってないのだろう。


あー、そうそう今更だが簡単に言っておく。俺はクス。そして俺が見つけた奴。目の前で素っ裸の奴がサクラだ……って今は自己紹介なんかより――。


「破廉恥娘早く何か着ろ!余計なものを見せるな!」

「えー、まだ部屋だし。クスしかいないし。って余計は酷いからね!?」

「その姿のまま外に蹴飛ばすぞ。周りの冒険者が喜んでくれるかもしれないからな」

「酷っ。あー、もう。わかったわかったー。着ますから。クスはホントに……」


サクラはブツブツ言いながら移動を開始した。


まあこれはいつも通りの会話だ。うん。毎朝あるようなことと思ってくれ。

っか、なんか……悲しい。なんでこんな残念な奴と俺は一緒に……っか付きまとわれているのか。ホントなんで、こんなことになったんだか――。


まあとりあえず俺が言うと、サクラは渋々椅子の上に置かれていた服?装備?うん。サクラが着ているのはなんの効果もないただの布の服と思われるんだが……まあ、異性には効果ありの服、装備だろうな。モンスターには全く効果なし。防御も……できないだろう。まあサクラはそれを手に取って着たのだが……。


隠れたのは胸と股間だけだな。あとはちょっと白めの肌がどこもかしこも丸出しという感じだ。


……え?言い方が悪い?

いやまあ俺は見たまんまを言っただけだからな。

事実を言っているからいいだろう?ちなみに腕、肩、腹、足とかは肌丸出しだ。


そうそうどっか遠い町ではビキニ。とか言われている装備らしく。暑い時や身体を洗う時。水浴びをする時に着るとか武器屋のおっちゃんに聞いたな。

そんな服をいつも着ているサクラ。まあその上にマントも着ているのだが……まあ正面からは……丸出しの下半身は……超無防備ってやつだからな。意味がわからん。

こんな姿だが冒険者なんだよな……マジわからん。死にたいのかよである。なかなか死なないんだがな。


っか、俺まじまじと見ていたが――。

ホント慣れだな。もう何も感じない。真っ平らにツルツル。うん。平常心平常心。よし。慣れた。何も感じない。女とは見てない。よし。OKだ。いつも通り。問題なしだ。


っかこいつも男の前でこんな感じが普通だからサクラはおかしいんだよ。うん。


ちなみに着替えたサクラは、現在、肩にかかるぐらいのなんだっけ……?み空色?とかいう色の髪の手入れ中だ。

っか前に「水色だろ?」言ったら「違う!」って言われてな。

何度も言われたから覚えた。み空色。うん。サクラの髪色以外では見たことないというか……わからん。やっぱ普通に水色だろ。ってまあまたお説教になるから……それはいいか。うん。面倒な時間取られてもだからな。その間に依頼が減ったら最悪だし。


ちなみに髪の手入れと言ったが。身だしなみを整えている……なのだが……。うん。サクラはいつも依頼を終えて部屋に戻って来ると、グースか寝ているからか。毎日変な寝癖ができているんだよ。寝る時にちゃんと寝ればいいのに適当に寝るからな。髪の毛があちらこちらに跳ねているんだよな。

だから今はそれを頑張って直しているところ。

ホント見た目はかわいい奴だが……いろいろ残念すぎる。うん。知らない奴は……イチコロだろうが……いろいろ知るとな。残念。とか思ってしまうんだよ。とか俺が思いつつ見ていると……。


「よし!」


と、言う声が聞こえてきたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る