ここに試みにそれまでの校則を改正した高校がある。生徒自ら率先して。革命ではない。ストライキでもない。提案を合法的に改正まで至ったのだ。一筋縄でいくわけがなかったそれの中心人物たる輪島法子と須田友和はもはやその条文を暗唱できるくらいになっている。いや、そうならなければ改正させられないとさえ思っていた。記載された条文はお題目ではない、ましてや記号ではない。血肉と同じにならなければならない。そして、会長と副会長の顛末は右記したとおりである。


 諳んじられるのだ、それは。諳んじられるけれども、生徒手帳に記載されている校則の、とある条文を読んだ。数か月間の思い出がよぎる。催してきた感情は畏れに近い震えと安堵のまじりあったものだった。痛感する。つまりは、と言って浮かんだ一言はこうだった。


 遵守すべき法が明文化されているとは限らない。

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遵守すべき法 金子ふみよ @fmy-knk_03_21

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