第2話

我輩はむっちゃんである。


4月1日に佐賀県が独立したというとんでもないニュースにおったまげた我輩は、一緒に奮起するべくして、ワラスボのわっちゃんのところに向かったでござる。


わっちゃんは友だちである。


しかーし、

わっちゃんに会うたんびに、我輩はびびりまくるのでござる。


なにせ、わっちゃんの顔が怖い。


こいつがエイリアンではないかというほどに怖いのだ。


それでも、我輩にとっては友。


恐れている場合ではない。


わっちゃんに一瞬びびりながらも、事情を話すとわっちゃんは食いついてきた。


「なにおおおお。そのゾンヴィなんちゃら星人が占領しただとおおお」


そういいながら、我輩に顔を近づけてきた。


「えすか。えすかけん。ぞかん近づかんでくれんね」


「なんやとおおお。おいがエイリアンごたってえええ」


「そこまでいっとらん」


「このゾンヴィやろうめ!おうたら、ぜったいにくらっすぞーーー」


あらら、我輩のうっかりいってしまった言葉がゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人の言ったことになってる?


これはラッキーだ。


わっちゃんのやる気にもなってる。


わっちゃんと来たら、ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人倒す気まんまんじゃないか。



これは先行きがよいかもしれないなあ。


「おーい、おめーらー。集まらんね!」


そんなことを考えているとわっちゃんが地響きでも起こりそうのぐらいに大声を上げた。


すると、ぞろぞろとわっちゃんの仲間たちが我輩たち目掛けてやってきたのだ。


わっちゃんと同じようにエイリアンのような顔がゾロリ。


我輩の背筋が凍ったのはいうまでない。


「うわあああ」


我輩はあまりにも怖すぎて悲鳴を挙げながら、跳び跳ねてしまった。


「そうかあ。そうかあ。むっちゃん。そぎゃんも喜んでくれたかあ。はははは」


なにを勘違いしたのか。

ワラスボたちが我輩のほうへと近づいてきた。


怖い


怖いよ。


怖いから


そんなに近づくなあ。



「そっそいぎ、我輩は他に仲間ば探しにいくけん。またあとで」


「おう。わかったばい」


我輩はぴょんぴょんと跳ねながら、ワラスボの集団から逃げるように離れていったのであった。



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