第3話

佐賀平野では、ムツゴロウのむっちゃんがゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人を打ち倒し、新たな国「さがガタガタムツゴロウ王国」を作るべくして、仲間集めの旅をしているころ

伊万里や呼子で暮らしているカブトガニじいさんとイカじいさんがなにやら話をしているようだ。


「なあなあ、知っとるかーー。カブじいさんやあ」



「なんばね? イカじいさんやあ」


「ゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人ちゅう、やつらが佐賀県ば占領して、独立させたらしかとばい」


「なんばうっさごといいよっとね。イカじいさん」



「んりゃ、ほんなごとらしかよお」


「おいは聞いたことなかごたあ。おいが聞いたとは、日本中にたぬきちゅうもんが、日本中で目撃されとるちゅうことだけばい」


「たぬき? それはおいも聞いたばい。そいつがゾン・ヴィラン・ド・サ・ガ星人と結託しとるちゅう話らしかばい」



「結託? 結託してなんばしよるとや?」


「そりゃあ、悪さやろう? たぬきちゅうもんは化けて悪さするに決まっとるやないかあ」


「こらあああ。あんたたちいい。なんばそがんところでゆつらーとしよるとやーーー!!」


カブトガニじいさんとイカじいさんがそんな話をしていると、カブトガニじいさんの嫁であるカブコばあさんとイカじいさんの嫁のイカコばあさんが凄まじい形相でやってきた。


それをみるなり、ふたりのじいさんが顔を青くして、ものすごい速さで逃走を始める。



「またんねーー!こらーーー!あんたたちいいいいい」




「うわあああああ」


「そがんところでさぼっとらんで、はよーー仕事せんかーーーいーーー!」


カブトガニじいさんもイカじいさんも噂に聞く宇宙人よりも、自分達の嫁のほうが脅威なる存在だと思った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る