第8回 最近の自身について

 今、自分のいろんなものが止まっています。

 ネットの上に載せられる話、載せられない話、様々ですが、こと創作について止まっているのには明確に理由があります。

 単純に「詰まってしまった」のです。

 現在、天奏楽士と平行世界の二作を連載していますが、平行世界はあと二話ほどで完結する予定ではあるものの、最終話の畳み方がまとまらず、詰み。

 天奏楽士は、最初こそとんとんと進んでいたものの途中から過去作「魔女の親友に~」と展開が似てきてしまったのに気が付き、根本的に話を変える必要が出てきてしまったのです。

 似た話になったならプロットを書き直せばいいんですが、どうして似た展開になったかと考えていたら、「もしかしたらもう同じような作品しか書けなくなったのではないか」という謎の結論になってしまったのです。

 そんなことはない、と思いつつもどうしてもそのループから抜けることができず、それなら「考えること自体をいったん休もう」と思ったのです。

 自分の中にある引きだしの小ささ、少なさに愕然としたというのも理由の一つです。

 次に、「最初の目的を見失った」ことです。

 ツイッターなどでの発言や宣伝に日々の呟き、ここのエッセイや他の小説の更新をしていく中で、自分がやりたい事がどんどんずれていき、すっかり目的が変わってしまっていることに気が付きました。

 当初は「読まれることそのもの」が目的でした。

 いつの間にか、他の作品と差別化するにはどうすればいいかとか、よりPVを取るにはどうすればいいかとか、大通りの真ん中を走っているつもりが、方向が同じなだけの別の道を走っているような感覚に陥りました。どんどん狭くなって、ついに行き止まりになってしまっていたんです。

 こうなると自分が持っている引きだしのなかから何とかしようと試行錯誤して、結局同じネタを使いまわすという暴挙に出てしまったわけです。

(プライベートがもう行き詰っていることも関係してるんでしょうが、創作の側にとっては全く関係ないところなので割愛します)


 数日、こちら側から創作関連へのアクセスを意識的にブロックした結果、いかに他人の声によって一喜一憂し、自身が乱れていたかを実感しました。影響を受けやすいどころか他人を気にしすぎて本当に自分を見失ってしまっていました。

 気に入られたくて、話がしたくて、色々話題を振ったりして、結果離れてしまうという現実の失敗を、その方向でもやってしまっていたわけです。そんな小説そりゃ誰も読まないよ、ってことですね。


 ちょっと前にメフィスト賞へ向けて作品を書いていたころはもっと静かだったし、もっと作品に前向きだった気がします。今は未完成の状態の創作を、大多数に晒しつつ、それに加えて評価まで頂きながら書いています。PVが増えれば喜び、星が増えれば小躍りしてしまっています。逆に読まれているのに星がつかない、PVが伸び悩むなどあれば作品が途中なのにもかかわらず筆は止まり、気持ちも穏やかでなくなる。これは公募作品を書いているときにはならなかったことなのに。

 不思議ですよね。評価が途切れただけで麻薬が切れたような気持ちになる。当方、麻薬やったことないですけど。

 もしかしたら、WEBでのコマ公開自体が合わないのかもしれません。

 

 とはいえ、今更やめたいとは(ちょっとよぎったけども)思っていませんし、書き始めたからにはきちんと終わってあげたいと思っています。時間はかかるかもしれませんが、再び続きがかけた時、もし読んでいただけるならその時はよろしくお願いします。

 今回はこの辺で。

 ありがとうございました。

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エッセイ集 国見 紀行 @nori_kunimi

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