第22話 コンピュータと互いの刃

「あ痛、え?何でこんな揺れて……」


『荷物の固定を急ぎたまえ、作業機械の固定が甘いとこれを着てても命にかかわる。』


「えっ『はい、アザゼル-UV様。』


指示を出しつつ男は、AC(攻撃輸送)-[海獣]200の外部情報を入手する。


『職員アル-U、どうやら空中戦艦が敵の手に落ちたという訳では無いらしい、即席で砲台を生み出したのだろう。』ほぉこの機体で建物の隙間を狙うか。」


『何かが来た、ごめん揺らす。』


市民アル-Uは、空中戦艦からの砲撃をかわすために高度を落とすが、飛来する一体のアンドロイドのせいで大型の航空輸送機で無茶な軌道を強要される。


アザゼル-UVはまだ墜落してない事に驚きつつも、落ちるのも時間の問題だと冷静な部分で判断する。


「[桜]、いや[蕾₍つぼみ₎]か!!」


上下合わせて十枚の花弁の様なビーム兵器等を搭載した姿勢制御用のスラスター、複数の兵器を搭載、玉ねぎの様に装甲を重ねたオニオン装甲の球体のボディー、治安維持用30メール級航空機重歩兵[蕾₍つぼみ₎]、治安維持部隊の航空機重歩兵だ。


『システムファランクス起動。』


それは球体部分に搭載された兵器により砲撃を迎撃し、SF的な航空機と比較した上で、UFOの様なジグザク飛行で対象のアンドロイドに近ずき、四枚の花弁のビームで蒸発させた。


『お帰り市民、ここはコンピュータ様の影響範囲、ここからは我々治安維持部隊が警護に当たります。』


入手したアンドロイドは即座に解析に回される。


(機能はすでに調べたので、UV(ウルトラヴァイオレット) 研究職は不要、ここからは資産と訴訟の時間、物証を持って電子の海にダイブするのです。)


星々を渡るほどの文明、一つの種族として外敵はおらず、内紛を繰り返しようやく一つの星間国家として纏まった彼らは停滞の繁栄を築いていた。


複数の星系に渡り拡大した経済的な情報量は膨大で、その中から特定の企業にアクセツするのは、コンピューターの計算リソースをもってしても時間のかかる物であった。


『これだけに計算リソースを使えるわけじゃないのです。』


市民議会にて、市民議会長コフィー-UVは一人ごちる。


「何かきなくせぇ、どおにも熱を感じない。」


『どうしたのかね議長?』


「最初はその珍妙な服装、アンドロイドの用途が違うのに無理やり戦闘を行っているからかとも思ったが……」


少し考えコンピュータに繋ぐ。


『コンピュータ違和感が、どうにも我々と同じように相手に熱を感じない。』


『市民議会長コフィー-UV、敵に別の狙いがあると思うのですか?』


『ああ、嫌な予感がする。我々地下都市の弱点は何だ?』


『負ける気は無いのですが、可能性があるのはサイバー攻撃なのです。それなりのリソースを用いてコンピュータのサーバー、中枢に近い物からアクセツされた場合、乗っ取られる事は無くてもそれなりの影響を受ける可能性があるのです。』


『なあコンピュータ、否定しなかったな。』


『どうしたのです?』


『改めて聞こう。我々の勝ち筋は何だ?』


市民コフィー-UVはコンピュータに問いかける。


『敵対者が地下都市と同じ、滅びた文明由来の勢力、それも企業に近い形体を維持している機械群、対象の組織を特定し市民の身分証明で古代文明の経済圏に口座を作り地下都市の通貨で買収を開始、同時に訴訟を起こしさらに株を要求し、全ての株をコンピュータに移し会社の実質的な所有者になった上で株式総会を起こし地下都市に併合するのです。』


『市民にまだ死者はいない、クレジットを配布したりイベントで抑えられる程度の不満に収まるだろう。』


議長とは別の顔で通信を行う。


『私のパワードスーツを用意してくれ、私の代理で軍事企業を雇用あらたな防衛線を作り検問を行うよう働きかけてくれ、私は私兵と共に中枢のサーバー区画に向かう。』



『敵対者が地下都市と同じ、滅びた文明由来の勢力、それも企業に近い形体を維持している機械群、対象の組織を特定し市民の身分証明で古代文明の経済圏に口座を作り地下都市の通貨で買収を開始、同時に訴訟を起こしさらに株を要求し、全ての株をコンピュータに移し会社の実質的な所有者になった上で株式総会を起こし地下都市に併合するのです。』


『市民にまだ死者はいない、クレジットを配布したりイベントで抑えられる程度の不満に収まるだろう。』


議長とは別の顔で通信を行う。


『私のパワードスーツを用意してくれ、私の代理で軍事企業を雇用あらたな防衛線を作り検問を行うよう働きかけてくれ、私は私兵と共に中枢のサーバー区画に向かう。』


コンピュータは弁護士協会からAIプログラムをライセンス契約、自身を分割し弁護士用のAIとして電脳世界にアバターを作る。


(データ上では存在している企業でも、現実に遺跡が残っている物は少ない、この取引所にアクセツ出来る人間が居ない事から、市場に流通している浮遊株だけで会社支配に必要な株式数を確保できるのでしょうか?)


20~30%を保有していれば、実質的に会社支配を行うことも可能であり、もっと少ない比率で事実上の支配株主になる事も可能ではあるのだろう。


だが他の株主は何も言えないであろうことから、僅かでも株を購入し株主総会が開かれる時期に発言し市営企業に変えて地下都市に併合してしまえば良い、その後は株式を大量に発行して過半数以上、何なら3分の2の株を発行して議決権を手に入れてしまえば良い、だが時間がかかるのである。


『だからこそ訴訟を選んだのです。』


コンピュータが市民になりすまし株を購入、その後弁護士AIの分身コンピュータで訴訟を起こし、その対応の為に開かれる会議で発言、市営企業にするのである。


ちなみにこの手法は盲点だったと、残ってる物の再利用の為にも、古代文明の全企業の自営化を計画、実行し始めるたのである。

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