第16話 コンピュータと地下都市襲撃

『本社の盗難機械の位置を確認、現地統治機関の一種に確保されている模様です。クライアントに通達する事を推奨します。』


地下都市搬入口周辺廃墟にて、メイド服を着た女性の形のアンドロイドが都市側のジャミングを有線の機材で無視して通信を行う。


『Ⅱ-34に同意します。統括XT-00よりXターンアトラントローパ地下造兵廠様に情報共有開始、返答を待ちます。』


『ザ、ザー機密保持を優先、機密保持を優先、対象の戦力評価を再度戦力計算を、エラー666、最優先事項、機密保持、エラー、エラー、メイド派遣クリーンサービスへ通達、作戦行動を開始してください。』


何処かの一室で機械が起動する。


『総員、それぞれの状況を開始しなさい。』


高層建築物の上から真下を見下ろすメイド服を着たアンドロイド、彼女は、機械は身を投げ出すように走り出した。


アンドロイドが多脚戦車に着地したと同時に対空砲やレーザーが、高層建築物の屋上を破壊する。


地下鉄の入り口の様な通路から飛び出したアンドロイドが、ナイフ一本で柱の様な脚部を破壊する。


装甲を切り裂き、腕を突っ込み制御系を破壊する。


都市の警備機械が破壊された、けれどもその情報が都市に伝わる事は無い、ナノ光学迷彩衣装・人工皮膚のアンドロイドを地下都市を観測できない、都市と彼らに技術の差はほとんどない、どちらも災害を生き延び地下でその技術を維持つづけられた過去の遺物、いや、片方は歩みを始めた国家か、違いはその物量のみ、どちらの物量が優れているかは……


それはカクヨムの方のキャッチコピーの話しか、なろうのあらすじにも付け加えておこう。


地下都市の優れた物量をもってしても、局地的にであれば上回れる。


攻城戦であれば攻撃側が三倍の兵力が必要だと言われるが、地下都市の範囲は広大で、搬入口さえ超えられてしまえばコンピュータは戦場の主導権を奪われる。


アルプスを越えられたローマの様だ、全くの想定外、主導権はあちら側、地下都市は敵対勢力を把握すら出来ていない、同格の存在との戦闘すら考慮していない。


要塞化された施設が沈黙し、飛行機械がくるくると回りながら墜落する。


『よろしい結果であると判断できます。』


完全な奇襲、最適な各個撃破、緻密な戦力集中、過剰な戦力による地下都市への搬入口の攻略は成功と言えるだろう。


攻撃を行ったのだ、地下都市に喧嘩を売ったのだ、今日この日に、襲撃者は戦闘を終わらす権利を失った。

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