第5話 メガネクンと★
ん…。
…この部屋…。
またやってしまったか…。
気づいたら真実の部屋のベッドに寝かされていた。
しかも着替えさせられてるし…。
真実のものらしい大きなTシャツを着せられている。
着替えた記憶もないし…着替えさせてくれたんだろうか…。
すぐそばには着ていたスーツがきちんとハンガーに掛けられている。
「浅川…起きたか?」
静かに声を掛けられて振り返る。
フロアランプの優しい光の側で真実がソファーに座ってペットボトルの水を飲んでいる。
シャワーを浴びた後なのか上半身裸で髪は濡れている。
キラキラと光る雫が真実の喉元を伝って流れ落ちていく。
…綺麗だわ…。
思わずその姿に見惚れてしまう。
「…?浅川も飲むか?」
真実が冷蔵庫から新しいペットボトルを取り渡してくれようとしたが私は真実の飲んでいた水を取った。
「…こっちの方が美味しそう。」
そう言うと真実は笑った。
「どっちでも一緒だと思うぞ?」
…そんなことはない。
綺麗な男が飲んでいた水の方が絶対美味しいはずだ。
ドキドキしながら真実の飲んでいたペットボトルに口をつける。
…関節キス…。
…やっぱり真実の飲んでいた水は美味しかった。
★
真実の部屋でシャワーを借りて身体を洗う。
真実の使っていたシャンプーで髪を洗い、ボディーソープで身体を洗うと真実の匂いと同じになった。
なんだか嬉しくなりながらお風呂から出る。
真実がソファーで眠っていた…。
静かに寝息を立てる真実。
フロアランプの灯りに照らされる真実はさながら御伽噺のプリンスのようだ。
長いまつ毛に整った顔…。
気づいたら真実の唇に触っていた。
「んっ…くすぐったい…。」
真実はそう言いながら眠り続ける。
…っていうか髪も乾かしてないしこのままじゃ風邪ひいちゃう。
そっと借りたタオルで髪を拭く。
真実のむき出しの上半身も冷たくなってきていた。
…もう、無防備すぎる。
私は寝室に行き真実のベッドから毛布を持ってくる。
そっと真実に毛布を掛けてソファーで眠る真実に抱きついた。
朝方身体がふわりと浮くような感覚を覚えて目を覚ます。
「浅川…身体痛めるからベッド行こう…。」
真実に抱き上げられていた。
優しくベッドに寝かされて、後ろから真実に抱きしめられる。
…またエッチするのかな…。
そう思ったが真実はそのまま寝始めてしまった。
…真実に抱きしめられていると温かくって気持ち良くって…気づいたら再び寝てしまっていた。
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