第39話 3人・・・動く!
野球部との軋轢(あつれき)は
匠くんとの相談で
様子を見ることに決まったけれど
天瀬雪の拡散も相まってか
特に登校、下校の時に
やたらと冷たい視線を感じるようになった。
「なんか魔女狩りみたい」
松本楓(まー吉)から
この手の逸話は沢山聞かされていて
今回とよく似ている気がしたから
私自身と重ね合わせてしまい
「人生って思い通りにならないなぁ」なんて
何か大義を成しえた人みたいな
愚痴も溢しながら
次々に起きる問題に
飽き飽きしていた。
今の所
それ以外の実害は無いのだけれど
当然
彼女(天瀬雪)の事だから
この位で済む筈も無く
そう考えたら
「本当に何もしなくて良いのかな?」
なんて
約束を承知していても尚
つい
考えてしまって・・・・。
結局私的には
彼(森田匠)に実害が無ければいいだけなので
だから
誰がターゲットかさえ知れて
その人から匠くんを遠ざけることが出来れば
好きな人を守ることさえできれば
私の役目はそれで十分果たせられると
そこは強く思っていた。
まぁ、でも
そのターゲットって
私でしょうけどネ。
ーーーーーーーーーーー
思い悩んでいるのを
上手に隠せる程器用じゃないから
当然
私の家に居る者には
悟られてしまう。
お父さんやお母さんは
気持ちを汲んでくれてなのか
何も言っては来ないけど
私ん家に居る
例の三銃士ならぬ
【珍銃士】は
やっぱり露骨に追及をしてくる。
ある日のこと
私が帰宅して
部屋に戻ると
唐突にドアが開いて
「早く話せ」と
みしゅなんらが詰め寄ってくる場面があった。
ゆみゆみ
「姫、隠し事は無しで行きましょう
私らは、姫を守る役割も担っているのですよ」
頷くだけのまー吉。
確かに、彼女らが東京から呼ばれた経緯は
承知している
私が不甲斐ないから。
心配だからこそのコレ
解る。
でも
今迄のコント以下の活躍には
ほとほと手を焼いてきた訳だから
望むべきは
乗っかって欲しくは無い。
だから
出来れば一切を
逸らかし(はぐらかし)たかったのだけれど
残念ながらその程度の抵抗で
アッサリと引き下がるような
人達でもないから・・・
悩んだ末
仕方なく
条件付きで
話をする事にした。
夢「くれぐれも参加しないでよね
約束よ!」
みしゅなん「はいはい分かりました」
ゆみゆみ「承知」
頷くだけのまー吉。
かなり不安だったけれど
もう信用するしかないので
手短に説明をした。
その時はそれで納得してくれて
上手く解散出来たのだけれど・・・・
やはり私は青二才で
彼女らを
甘く観ていた。
ーーーーーーーーーー
【私が場に居ないある日の夜の珍銃士】
ゆみゆみ「みしゅなんよ、どうする?」
みしゅなん「どおって?」
ゆみゆみ「いやいや、私は心配だぞ!」
みしゅなん「フムフム」
ゆみゆみ「私が勝手に殺ってもいいか?」
みしゅなん「殺るの? 聞き間違い?」
ゆみゆみ「いや、殺るよ全員」
みしゅなん「まぁ待てよ、約束は守らないといけないだろ?」
ゆみゆみ「じゃぁどうすんだ?」
みしゅなん「約束も守って、且つチョッカイも出すさ」
首を傾げるゆみゆみ。
みしゅなん「私らが参加しなきゃ良い訳でしょ?直接」
悩むゆみゆみ。
みしゅなん「ここで、まー吉の出番よ!」
ゆみゆみ「どゆこと?」
みしゅなん「まー吉は、読む本とかの影響をメチャ受ける【ナリキリ女子】だかんね」
みしゅなん「劇場型の彼女を、都合の良いキャラにして活用するだけだよ」
ゆみゆみ「どんな風に?」
みしゅなん「相手はデマを拡散してるんだろ?」
みしゅなん「だったら、こっちもする迄だよ、なぁまー吉!」
ゆみゆみとまー吉は、只々首を傾げるだけだった。
どうやらみしゅなんには
何か策が有る様だ。
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