第33話 3人の出番

ゆみゆみら3人には

「今日家で話がある」とSNSで伝えておいた。


「三人寄れば文殊の知恵」ってコトワザもあるしね


あー4人だねぇ。


まぁ他に思い当たる人もいないし

お父さんは・・・・・

なんか悪いかなぁーって感じで


やっぱゆみゆみら3人かなぁーって


今の私には、その選択しか無いと


良くも悪くも思った。


結局の所、何かヒントさえ見付かれば

其だけで十分な気もするし



それに



彼(匠)の異性に対しての価値観も、そろそろ知りたい訳だし

折角春奈のお陰で、細いけど繋がりが持てたのだから


あー


あの茶屋町駅の一件は


意味無かった気がするけど・・・


やっぱり私が動かない限り


先に進めないのだろーなー。




あれ?


誰の事を話し合うんだっけ?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


流れ的に私の部屋へ集合となり

3人を招き入れた。

みしゅなんとマー吉は、大量の飲み物とお菓子を持ち込み

ゆみゆみは寝袋を3つ持参してきた。


立て籠る気なの?


只の話し合いだよね?


短時間で終わらせたら怒りそうな気がしてきた・・・なんてね。


まぁ

よくよく考えたら4人で何かをするのって

此方に来てから全然無かったから

恐らく3人は

私の誘いが嬉しかったんだと思うな


きっと。


まぁ結果良ければ全て良しな訳だし


友達だしね。



さて


気を取り直して



話を始める前に、ボイスレコーダー等々持ち込んでないかを確認しておいた。


自己申告だけどね


又お父さんが絡んでいないかを確認したいだけなので


それ以外に深い意味は無い。






そして本題。


議題は2つにした。


安藤春奈の正体と対策

それに

森田匠 の真意。



ゆみゆみが「姫が直接奴らに聞けば済む話ではないか?」と

オワコンな発言をしてきた。


いますね!こういう人

頭が痛くなる話し合いをぶち壊し、ダラダラと飲み食いをしたい奴。


それはダメだよ!


みしゅなん「面と向かって易々と答える人なら、問題がここ迄こじれないでしょ?、変な噂も立たないし」


その通り!


マー吉「面壁9年(中国のコトワザ熟語)・・・・」


普通に喋れや。


ゆみゆみ「春奈殿は俺が直接聞いても良いぞ!匠殿は逃げるからな」


みしゅなん「あんた馬鹿?、人の話を聞いてたの?」(注、式波 アスカ ラングレー風に)



マー吉「郷に入れば郷に従え」


みしゅなん「マー吉さん、あんたも話を聞いてるの?聞いてないの?」


マー吉は読む本の世界にトリップする癖があり、今は中国の古事記を読み漁っている


だから出る言葉も寄った感じになる。


又それとは別に、いつもの事だけど

発言が的を微妙に得ていないのも

いかにもマー吉らしい。




みしゅなんが動きを止めた。



みしゅなん「郷に入れば・・・・か」


少し間が空いて・・・・・


みしゅなん「潜入捜査なんてのはどう?」


と言いながら妙案浮かんだぞ的な顔をする。


ゆみゆみ「おー、特殊部隊だな!」


みしゅなん「誰も殺さない!」



なんかその流れでOK的な風が吹き始める。


ゆみゆみ「ドコへ潜入するのだ?」


みしゅなん「私らの誰かが【夜の蝶】になるのはどうだ?」


やばいやばいやばい!

未成年がそんなことしたら駄目っしょ!


流石に私も

夢「未成年だし・・・・私達・・・それはマズイよ」

と弱弱しく助言した。

ボイスレコーダーの時とは真逆のひ弱さで、私自身もビックリだ。


みしゅなん「だよねー、店が摘発されちゃうね」


ゆみゆみ「俺達で出来る仕事(バイト)って有るのかな?」


おー、それは名案だ!

確か朝5時から夜10時迄は、法律でも未成年のバイトが許可されている。

まぁ学校に行っているから、平日は時間が限られてくるけど

キャバクラやクラブ、ラウンジは駄目だとしても

コンビニやラーメン屋なんかは良い筈。


情報収集さえ出来ればいいから

接客の流れを使って聞き込みをしたら・・・・


上手くいくかもしれない。


ただし


みしゅなん「夢のお父さんが許可くれるかだよね?

あとバイト先と」



正しくそれ!


ゆみゆみ「それと、誰がするんだ?バイト」


だよね


みしゅなん「夢は春奈に面が割れているからダメだよね

ゆみゆみは直ぐ問題を起こしそうだし・・・」


ゆみゆみ「なんだと!」


みしゅなん「それに、ちっと怖い思いするかもね、怖い人が多い地区だから」


深く考えれば考える程、潜入捜査の難しさが露呈する。

ひょっとしたらみしゅなん達も、春奈に既に覚えられているかもだし・・・・


ここにきて、話が頓挫する。



10分程沈黙が走る。



なかなか次の手が浮かばない・・・・・。



すると、またしてもマー吉が


「木を隠すなら森の中」と喋った。


中国とは無関係な、イギリスの小説から引用された言葉だけど


関係ないこと何故今喋るの? と考えていたら



みしゅなんが口を開く


「そうだよね」


一同が顔を見合わせる。


みしゅなん「わたしらの近くの子で(クラスメート含む)、夜の店に勤める知り合いが居ないかどうか探そうよ!、そしてその人に事情を伝えてお願いする」



ゆみゆみ「まぁそれが一番無難だな」


マー吉「知道了!」

日本語喋れや。


確かにそれが一番無難だ。

既に働いてる人だし、春奈も分からない筈だから

他力本願的な気もするけど

信頼できる人だったら、安全だし確実だ。


ゆみゆみ「それで決まりだな」


みしゅなん「匠殿の方は、夢が直接聞きなさい!」


マー吉「五里霧中」


マー吉さん、それ私の事?




こうして作戦が決定して、各々がターゲットを探すこととなった。


匠くんの問題?はうやむやにされてしまった・・・・。


その後


2人程候補が見つかって


それは良かったのだけれど


その中の一人が


小野祐未可って


聞いたことがある名前だった。































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