第25話 あーうるさい!
いきなり同居人が増えた。
しかも3人
そしてうるさい。
以前の夜は怖い位静かだった我が家も
今やアチラコチラから擬音が激しい。
ゆみゆみ(太田 祐実 )は、トレーニングマシンの軋(きし)む音と唸り声。
みしゅなん(多賀実朱奈)は、漏れ出るボリュームMAXのネットBGMと
ボイスチャットでのバカでかい会話。
マー吉(松本楓(まつもとかえで) )は
ポエムや小説を、声を張り上げての朗読。
お父さんとお母さんは、子供が増えたみたいで嬉しいとネジが緩んだ事を言うし
お陰で寝付きが悪くなった。
食事も然(しか)りで
ゆみゆみは何でも食べるけれど量が半端なくて、結果業務用の炊飯ジャーが2つ我が家に来た。
みしゅなんはマック馬鹿。
朝は基本食べなくて、昼は購買のハンバーグサンドと、何故かマックポテト(いつ買ったものか不明)。
夜はマックのバリューセットとパックの野菜ジュース。
東京に居た時は、昼も完全マックだったらしい。
マー吉はビーガン。
それ自体は誇れる行為なのだけれど、食べれるもの食べれないものを説明する際の
役者面した子芝居が酷い。
つい最近、お母さんがヨーグルトを皆に与えた際に
「子牛が死んでしまう!」と泣き叫んでしまった。
こんな3人だから、自ずと衝突は避けられなくて
その小競り合いもうるさい。
そして一番酷いのは通学の時。
私が一番大切にしている時間を
ふっ、2人だけの時間を
3人がメチャクチャにするのだ。
匠くんの顔を知っているゆみゆみは、茶屋町駅で彼(匠くん)が乗り込んでくると
「おい!こっちこいや」と
ドスの利いた声で毎回呼ぶ。
匠くんはゆみゆみの事を嫌という程知っているので、バッティングすると毎度違う車両へと高速移動する。
そんなんだから、彼とは会話が出来ない。
みしゅなんに至っては、今まで彼(匠)は会話の上だけの存在であって、初めて肉眼で生匠を見てしまうと、震える程感動するらしく、スマホカメラをONにして、実況しながら毎回後を付いて行ってしまう。
マー吉に至っては、電車内で訳の分からない事を叫び始めるし
私は怪(おか)しくなり、又知らない人の声が聞こえて来そうだ。
本当にうるさい!
只、学校に着いたら心強く且楽しい部分もあり
元々友達な訳だから、話したり
はしゃいだり
お昼には皆でワイワイ食べたりして
以前とは比べ物にならない
ある意味理想的な学園生活にはなっているのだ。
まぁそれも、お父さんの目論み通りと言えばそうであって
話し相手でもあり
ボディーガードでもある彼女らを投入して
私を1人にはさせないという状況を創りたかたったみたいだ。
自力で創った友達の安藤春奈さん
が既に居たけど
念には念をと言ったところでしょうか
流石に今は誰も何もしてこない。
それらは静かにはなったけれど
ゆみゆみ達がうるさいので
単に直替わっただけだと
諦めている。
あーっもー
うるさーい
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