第8話 痛い所を突かれる
重大なインシデントが発生してキョドる。
匠君が電車に乗っていない。
見えなくなって2日が経過しちゃって、何が何だか分からない。
原因はって・・・・・・あの人しか思いつかん・・・。
ゆみゆみに確認の電話をする。
事実確認の電話。
結果は四面楚歌。
悪意が無い第三者マターの災害。
ゆみゆみを無下に責めれない自分が歯がゆくて
無力さをどんなに嘆いたことだろう。
学校生活がある程度過ごし易くなった所で
電車通学の
あの貴重な時間が無くなるのなら
全てが無意味になる。
「お前は夢を悲しませない自信があるのか?」
って
頑固親父みたいなセリフを
ブッコんだとゲロった。
本人(森田匠)は
何のこっちゃ?ってなっただろうなぁ。
・・・・・・。
終わった。
もう終わった
私の青春が・・・。
あああ。
諦めるしかないのかなぁ・・・。
ダメ元で
東京に居た時の、別の友達に相談してみる。
最後のカード。
多賀 実朱奈(たが みしゅな)
通称 みしゅなん
とても頭が良く冷静なオタク女子。
何のオタクって?
VTuberオタク。
推しキャラ聞いたけど、訳ワカラズ。
だから毎回適当に相槌を打って逃げていた。
更には
自身も動画配信を行っていて
フォロワーが3万人も居る。
みしゅなんは
その自身の経験から湧き出る屁理屈と
オーディエンスパワーを貰いながらの
高確率な最適解を導き出すスタイルが強みで
東京に居た時は
それで結構助けられた記憶が有る。
以外にもいい線行くパターンが多くて
大外れも・・たまにはあったんだけど
ホントに凄いなーって感心してた。
コッチ来てからは疎遠になっちゃったけど
今回は
満を持して助けて貰おうと思う。
何はともあれ
早速
みしゅなんの
スマホのダイヤルをプッシュする。
少し緊張したけれど
声の先にいるみしゅなんが
いつも通りだったので
ホッとする。
あっさりいつもの二人に戻った。
これで包み隠さず話せる。
先ずは御座なりの挨拶をし
直ぐ本題に入る。
みしゅなん「その彼とはコールアンドレスポンスはしたの?」
夢「うげっ・・・上手くできていない・・と思う」
みしゅなん「まっ、まさかROMってるの?」
専門用語ブッパしてきた
確か・・
リツイートせずに閲覧するだけの行為だったよね。
夢「は・・・はい」
みしゅなん「なんてこったい」
数秒間が空くと同時に
溜め息が聞こえた。
みしゅなん「聞くけど、相手は夢の事認識してるの?」
夢「・・・」
みしゅなん「こそこそ見てるのは気付かれてる感じ?」
夢「わかんない」
みしゅなん「声掛ける勇気はある?」
痛い所を突かれた。
確かにそこだよね。
しかし
それが出来るんだったら
コソコソ覗き見なんてしないし
自分で対処できる。
話す勇気なんて
今後も芽生えそうにない
それは自信を持って言える。
そりゃ
話し慣れてくれば、問題ないでしょうけど
其処までに行くのが大変なのに・・・。
だって他の子も
その切欠を作るのに苦労してると聞くし。
それを私が出来る筈が無いじゃん・・。
出来ないから
みしゅなんへ電話してるのだから。
私は「できない」と返した。
すると、即座ににへらと笑うみしゅなん
「あんたらしいね」と付け加えれもした。
「他に頼る人が居ないからお願い」と
平に平にヘリ下って懇願を繰り返す
この辺はもう後戻りはできない。
すると暫くしてから
「うふふ」と小さく笑い声を響かせて
みしゅなんの口が開いた。
「そもそもゆみゆみに驚いただけだから関係ないじゃん」
夢「・・・・・?」
みしゅなん「仮にゆみゆみとの関連を気付かれてたとしても」
「別にいいじゃん」
「えっ」
私は驚く
別にいいってどういう事だろうか?
みしゅなんは続ける。
みしゅなん「だってゆみゆみは女だし、性的マイノリティは未だ市民権得られてないんだから」
「彼と友達になっちゃえば、自然と解消するよ」
夢「なっ、なんの話?」
みしゅなん「彼にフリーだと思われたいんでしょ?夢は」
ストライクが来て
言い返せず・・・・。
今度は大声で笑うみしゅなん。
みしゅなん「こそこそ見てるから上手くいかないの!」
「結局気にして貰いたいんなら、常に目の前でモジモジしとけ」
「いきなりが無理なら、徐々にでも近付け!だけどテンポよく」
「そうしたら向こうが気になりだすから、あっちから勝手に声を掛けてくれるよ」
おーーーーーーーーーーーーーっ。
なんか納得できる。
ってゆうか
ごく一般的な事を言われただけの様な気もするけど・・
みしゅなんにそう言われたら
何故か腑に落ちた。
てなわけで
みしゅなんにお礼を言って切る。
私が実現可能な範疇での的確なアドバイス、流石はみしゅなん。
持つべきものは友
マメに交流してなかった自分を恥じる
有り難うみしゅなん、又電話かLINEするね。
百々のつまりは行動変容よね。
解決策はゲットしたけど
匠くん、何処にいるのかな?
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