第4話 デストロイ なゆみゆみ
幼馴染のゆみゆみ。
本名 太田 祐実 通称ゆみゆみ
名前だけだと女の子
実際はゴリマッチョで、見た目は神取忍の生き写し。
あー、中学の時の卒業のしおりで、ゆみゆみが書いてたやつ思い出した。
好きな言葉 【万死】
特技 【ベンチプレスで200キロ上がる】
尊敬する人物 【ラオウ】(北斗の拳より)
将来の夢 【ヒグマをワンパンで失神させたい】
これを見た瞬間 「バケモノ」って叫んでしまったのを思い出す。
好きな言葉はいつも言ってたから・・まぁ。
ラオウって誰?
ヒ・・・。
恐るべし!幼馴染!。
こんなゆみゆみだけど、今通ってる東京の高校で生徒会長をしているらしい。
そうお父さんが
前に教えてくれた。
きょ、恐怖アイコンだからじゃないよね?逆らえないからとか・・・。
中学生の頃、渋スクでヤンチャ外国人10人を、一人で瞬時に制圧した伝説を知って
いる。
な、何しに来たんだろう? 嬉しいけど。
偶然じゃ無い気はする。
小さい時に会ってから
自然に仲良くなってたゆみゆみ。
当初は男の子だと思っていて、何でスカートを履いているんだろう?って
凄い違和感を感じながら接していた記憶があるけど
徐々に
打ち解けることにより
それは
向き合ってみたら判る
特別な感覚だけど
私は
ゆみゆみには
性別なんて必要ないと思った。
簡単に言えば
ゆみゆみには
何方の特性を
持ち合わせていると感じたからで
拘る必要が無いというだけのこと。
まぁ
見た目はなんだ・・・
男子だけどね。
その頃だなぁ
一度
何故仲良くしてくれるのか
理由を聞いたことがあったんだよね。
すると
「姫は一人だと危険だ!」って大層な剣幕で答えるものだから
ほんと
驚いちゃって
「ごめんなさい!」って
私は直ぐに謝っていたなぁ。
フフフ
わたしのことを【姫】って呼ぶゆみゆみ
心配してくれてありがとう。
教室がちょっとだけザワついてたけれど、直ぐに塞き止められた。
それは
ゆみゆみが 眼(ガン)垂れてたから。
超高圧なメスゴリラの眼。
緊張が走る・・・・・。
担任の先生が咳払いをして説明を始める。
「この度東京の都立⚪⚪高校から、交換留学生として来てくださいました」
「約1ヶ月此のクラスで一緒に勉強しますので、皆仲良くして下さいね」
「では、自己紹介をお願いします」
話を区切って
先生が手で合図をする。
ゆみゆみ「・・・・・・・」
先生「チョッとどうしたの?」
ゆみゆみ「・・・・・」
先生がアイコンタクトをしても、ウンともスンとも言わない。
教室が又ザワつき始めた瞬間、ゆみゆみが喋った。
「貴様らに名乗る名など無い」
あっ!いつものゆみゆみだ!
先生があんぐり口を開けたまま、プルプルと震えだした。
ゆみゆみ「ウジ虫共め、万死に値する」
好きな言葉でたー、ゆみゆみ絶好調だなぁ!
怯えながら先生が代わりに紹介をする。
呼応して
力無くパラパラと拍手が上がる。
丁度一番左前が空席だったので
取り敢えずゆみゆみは其所に座る。
驚く程に
教室が静かになる。
初っぱなから飛ばすゆみゆみ。
すったもんだで
何とか授業も始まり、落ち着きを取り戻した頃合いで
待ってましたとばかりに
私に向かって後ろから千切った消しゴムが飛んでき出す。
そしてそれを見ているクラスメイト達も、何が面白いのかクスクスと笑い始める。
こんなことは
このクラスでは当たり前の光景で
当たり前なのだから
誰も止めることも無いし
消しゴムを投げることも
止めない。
先生も見て見ぬふり・・・。
結局は
私が抵抗しないから
何やったっていいと
解釈しているのでしょうけれど
私の反応で
判るでしょ?って考えるのは
独り善がりなのかな?
助けが欲しい・・・って
心で
叫び続けていた・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その光景をゆみゆみは見ていて、授業終了のチャイムが鳴るや否や私の所に来ると、後ろの席のクラスメイトに詰め寄り
「席を替われ」と威嚇した。
後ろの席は男の子なんだけど、プライドを守ろうと必死なご様子で
シカトをしたりして
必死に抵抗してみせたけど
その程度は
ゆみゆみには蛇足で
留めとばかりに発したゆみゆみの「殺すぞ」という
ドスの効いた声に
ビビった
男子生徒は泣き出してしまい
そのまま
脱兎のごとく教室を飛び出してしまった。
又、教室が静まり返る。
ゆみゆみは
そんな他の反応なんて意も関せずって感じで
そそくさと
机の中に入っていた男子生徒の教科書とかを全部窓の外に放り投げてゆき
そして
当たり前の様に
持ってきた自分の教科書を入れてしまった。
更に
それを見ていた付近の生徒に対しても
容赦が無く
「何や、ワレ!」などと
かなりの重低音で恫喝し散らかした。
断末魔の様な悲鳴を皮切りに
教室を出て行く子、その場で泣き出す子、先生に助けを乞う子・・など
教室はパニック状態に陥ってしまって
先生でさえ
収集が付かなくなってしまった。
そんな様子を
私以外のことなんか興味が無いわみたいに
一瞥くれるだけの彼女。
「姫、久しぶり」とか言って
ニコニコしながら
話し掛けてきた。
ああ、私、一人じゃ無いんだ・・・って
ゆみゆみ見てて思った。
孤独じゃなかった。
何処に居ようが助けるよって
そう書いてある様な笑顔のゆみゆみ。
ゆみゆみ来たの誰の差し金か?なんて
お父さんだろうなぁ
やっぱ知ってるよなぁ
学校でのこと・・・。
その後ゆみゆみは
数人のガタイの良い先生に連れて行かれて
その日は戻って来なかった。
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