第3話 黄金色のオーロラ
前に一度
彼と話をしたことがあった。
それは突然に
それは何かに導かれる様に
徐(おもむろ)に彼に吸い寄せられていく
アクシデント。
こんなことってあるんだなと思った。
シナリオみたいだなと思った。
振り返ってみても
このあたりからイジメも始まった気がするし・・・。
良いも悪いも無秩序でしかなくて
此方の都合なんて承知しないんだなって
改めて思ったよ
この時。
その日は珍しく電車内に人が一杯いて
各駅から乗り入れてくる乗客たちのお陰もあってか
中へ中へと
徐々に押し込まれてしまった。
すると
程なく誰かの足を
私はおもいっきり踏んでしまったみたいで
悪い事をしたと思い
「ごめんなさい!」って咄嗟に謝ったの。
それで
反射的に相手の顔を見たら・・・
見たら
それは
彼だった。
車内に差し込む陽の光が黄金色に輝くオーロラみたいに
とても神秘的に
そして美しく
この周り一帯を
キラキラと揺らいでいて魅せていて
彼の突然の登場もあってか
ついつい
目に入るもの全てに見惚れてしまった。
ほんとに
僅かな時間の
例えたら
魔法の様な光景だったけど
その神秘的な中で
あなた(彼)は私に軽く微笑んで見せ
優しく言葉を掛けてくれたのを思い出した。
「無問題、無問題!(ムーマンタイ、ムーマンタイ!)」って言ったのを・・・。
ふっ、古っ
これ何ギャップって言えばいいの?
親父ギャグ的な奴?自爆テロ?
オモロ(笑)
可愛い♥️。
無抵抗なまま彼の事を
更に好きになってしまった。
かなり前にお母さんが話してくれた話題を、この時になって思い出す。
「ビビビって来た」と言って結婚した女性アーティストの話。
名前なんてったっけ?えーっと、ま、ま、まつ・・松田・・・・、忘れた。
その人の事を「変な人」って
当時はバカにしてたけど
今ならその気持ちが解る気がするな。
電気なのかな?何なんだろ?
チョッとくすぐったい感覚の刺激で、それは私の身体中を駆け巡っていく。
そしてポカポカと温かくなって
心地良く
ゆっくりと心臓を締め付けてゆく。
顔、真っ赤だったんだろーなぁー私。
何せ
屈託の無い笑顔だったからねぇ
あの時の彼は。
お父さんお母さん以外で、私に笑顔をくれる人など居ない現在
孤独を噛み締める日々の中
自分の事など
誰も興味が無いとか決め付けて
少々投げやりな傾向の時間軸に居た私を
あの時向けてくれた
あなたの笑顔と言葉は
どれ程救いになったか・・・・。
ほんとに
感謝している。
毎日陽が登り、そして沈む
同じ事を繰り返すだけで消化していく人生。
傷つく私
傷付ける赤の他人
私のこと嫌いな赤の他人
私のこと興味無い赤の他人
微笑んでくれる赤の他人
私に勇気をくれる赤の他人
私に生きる意味をくれる赤の他人
大好きな赤の他人・・・いやだなぁ
他人は嫌だなぁ。
名前聞けば良かった。
後悔足腰立たず ムムムっ ん!コトワザ合ってる?
なんだかなぁ。
今日もいつもの場所で彼を見る。
あれ以降の・・・・・進展は無い。
ムムムっ 残念。
記憶にもう無いのか忘れたのか
はたまたウトいだけなのか
声を掛けてくる気配が
微塵も無い。
私が陰キャだから?
私に興味が無いから?
タイプじゃないから?
まぁ想定内にしておこう、悲しいけどネ
本音はかなりショック。
どんなタイプの人が好きなんだろ?
好きな人いるのかな?
彼女・・・・居るかな?
いるだろうなぁー
だよね。
学校行きたくないなぁ。
学校に着いたら小雨がパラパラと降っていて、案の定上履きは校庭で濡れてた。
マメよねぇー本当、勉強に活かせよ君たち!
そのまま履いて教室に入る。
教室に入ると、私の机だけ変な方向を向いていて、椅子は教室の隅っこの方に
力なく転がっていた。
ハイハイありがとうございます、サプライズ演出ってやつ?
面倒くさい人たち。
周りの子がニヤニヤしてるのを肌で感じれた。
予定通りで良かったねキミタチ。
教科書なんか置いて帰ったら大惨事になる。
原型を留めない程
グシャグシャになるから・・・。
その為に
机は空(カラ)にして帰るんだけど
朝になると決まってゴミが入っている。
しかも
メッセージ付きで
最近は広げて観る勇気が湧かない。
だから
ポケットにそのゴミを突っ込んで
持ってきた教科書を入れる。
学校面白くない。
チャイムが鳴って少しだけ空気が変わり、先生が入って・・・・く・・・る?
隣に見慣れた人・・・・・!
えーっ、ゆみゆみ なんでー?
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