第21話 パンチラ計測アプリ、怒られる
ついに、ハッカソンの成果を発表する、日曜日のピッチの時間が始まった。
各々、高校生たちが思い思いのモノをプレゼンしていく。なかには、デモが動かないチーム、時間切れのチーム、棄権したチームなど、失敗に終わったチームもあった。
優勝候補の1つである海王高校のチームは『女子高生パンチラ計測アプリ』なるものをプレゼンしたため、審査員から会場の後ろのほうで呼び出しを食らっていた。技術力はなかなかのものだったが、これにより海王高校は優勝争いからは降りたことになるだろう。チャンスだ。
「ありゃ…あれは去年のウチらみたいなもんじゃない? 去年は政治がテーマってことで国会議事堂の狙撃ゲーム作って怒られちゃったからね、ウチら…」
デザイナーのしのぶが後ろで大人たちに怒られている海王高校の男子生徒たちを横目でみながら、苦笑いした。
「技術的には悪くなさそうだったがな、海王高校は…。まあ、ここは技術を評価する場所じゃないってことだ、くだらん」
プログラマのルイが吐き捨てるように言う。
次に、海王高校と並ぶ優勝候補である『くすのき科学技術高専パソコン部』のピッチが始まったが、スピーチ時間が足りず尻切れトンボに終わってしまったうえ、デモもうまく動作していない。
「優勝候補が次々と失敗してるね…これはチャンスかも…」
「どんなに技術的に優れていても、とりあえず動いてまともなプレゼンができたものが勝つってことだな…」
プログラミング部顧問の玉木先生がつぶやいた。
「あー、そういうのマジで、くっだらねー」
ルイがまたも機嫌が悪そうに吐き捨てた。
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