第肆拾弐話

「お風呂に入って頭を洗っていると、後ろに気配を感じる」

よくある話だが、大概は気のせいだ。

怖い話をしたり、動画を見たりして、過敏になっているせいなんだろう。

大概は……。


その日は、久しぶりに友人と遅くまで飲んでいた。

帰宅したのは二時を過ぎだ頃。

どうしても化粧を落として、ワックスの付いた髪を洗いたくて、シャワーだけ浴びることにした。

髪を洗っていると、後ろに気配を感じた気がした。

でも、きっと気のせいだろうと振り向く事はしなかった。

すると耳元で声が聞こえた。

「綺麗な髪ね……」

驚いて振り向くが、誰もいない。

当たり前だ。

一人暮らしなのだから。

それでも、気持ち悪さはあったので、急いで髪を流していると

「私の髪と取り替えましょう……」

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