第肆拾壱話

ショッピングモールで一人、買い物を楽しんでいると、何処からかフワッと香水の匂いがした。

それは、半年前に別れた彼氏が付けていた匂いだった。

浮気をされて別れたので、未練などないが、何となく周りを見回す。

しかし、県外に住む彼が居るはずもなく、人気の香水だから、誰かが付けていたんだろうと買い物を続けた。


仕事の日、外回りをする為、ビジネス街を歩いていると、フワッと香水の匂いがした。

また元彼の物だ。

最近流行ってるのかな?と首を傾げながら、顧客の元へ急いだ。


仕事帰り、いつものコンビニで夕飯を物色していると、またしても元彼の香水の匂いがした。

ここまでくると気持ちが悪い。

周りを見回すと店員さんしかいない。

しかし、店員さんの近くを通っても香水の匂いはしない。

何なんだろう……。


買い物を済ませ、家に帰る。

玄関を開けると、またあの香水の匂い……。

……いるの?

いや、別れてから鍵は返してもらったし、念の為に鍵の交換もした。

入れるはずがない。

玄関の周りにも誰もいなかった。

私は、玄関にあった傘を持ち、ゆっくりとリビングへと進む。

勢いよくドアを開け、電気をつけると、そこには……

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