第参拾話
仕事が正月休みに入り、実家に帰省した日。夕方から雪が降り始め、夜中には足跡がつくほど積もっていた。
私は、久しぶりの雪を見ようと、玄関から外に出る。
そこには、一面の銀世界が広がっていた。
明日も仕事ならば、通勤の心配でそれどころでは無いが、正月休みに入った私には楽しさしか無かった。
雪を踏みしめようと一歩前に出ると、私の足の前に、足跡があることに気づく。
その足跡は、家の庭へと続いていた。
今日は雪が降り出してから、家族は誰も外に出ていない。
誰か……いる?
私は、リビングのソファで、テレビを付けたまま寝ている父を起こし、一緒に庭に見に行った。
しかし、そこには誰もおらず、足跡だけが残っている。
気持ちは悪いが、戸締りをしっかりしておけば大丈夫だろうと、父はそそくさと家の中に戻っていってしまった。
私は気になりながらも、仕方なく父の後を追う。
何となく後ろを振り返ると、雪に静かに足跡が付いた。
え……?
その足跡は私の方へ向かってくる。
そして……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます