第弐拾壱話

車のメンテナンスでディーラーを訪れた際、待ち時間も長かったので、ガラス張りの窓から何となく外の車の流れを眺めていた。

道路を挟んだ反対側も別のディーラーの建物がある為、こちらの建物が反射して写るようになっている。

ふと上の方を見上げると、窓に写った建物の屋上に人が立っているように見えた。

え?と思った瞬間、その人が屋上から落ちていくのが見えた。

思わず立ち上がるが、人が落ちてくる気配はない。

もう一度ガラスに写る屋上を見るが、誰もいない。

あれは一体……

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