第弐拾話

デリバリーの仕事で、注文の商品を届けに、アパートの一室を訪れた。

インターホンを鳴らすと、学生らしき女性が出てきた。

商品を手渡し、顔を上げると、リビングから顔を出し、こちらを睨みつけるように見ている男性と目が合った。

注文は一人前だが、二人で分けて食べるのかな?と思い「お箸、もう一膳付けますか?」と聞くと、女性は目を丸くして「私一人ですから、大丈夫です」と言った。

それなら、あの男は……

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