第11人目 いや、ちょっと変わった。

いや、待てよ?

私は、変わった。


変わりつつある。


貴方のことは、解ってる。

知ってる。

最初の頃から、ずっと。


『本質』的なことは何も変わらない。


変わったのは私。


そうさ、見えなかったのさ。

貴方いいとこ持ってるじゃない。


知ってる。

知ってた。


いや、それも違うか。


貴方、貴方を『出せなかった』。

『環境』が貴方を閉じ込めていた。


窮屈で、慣れない仕事を任されて。


そこへ言った、私の何かの、一言が。

貴方を、酷く傷つけた。


そーゆうこと。


知ってた。


ううん、知らなかった。

何を言ったから、傷ついたのか。


私が、貴方に、どんな態度だったのか。


思い出せないんだもの。


ごめんね。


過去は。


過ち。


過去は、遠く忘れ去られるもの。


過去は、水に流すもの。




今、知ってる貴方は。

いい兄貴分であり、明るいムードメーカーであり。


熱心に、緻密な仕事を熟している。

頼りになる存在で。


知ってる。


知ってた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る