第80話


『あ゛ぁー、寒ッ、こんな事ならもっと厚手の防寒着買っとけば良かった』

「“それ”昨日も言ってたわよ。寒いのが嫌なら“もう少し早く”野営準備をすることね」

『そうだよねー……、でも余裕も時間もあれば後少し、後少しってなっちゃうんだよねー。……俺の悪いところだ。……ぅうーサブッ』


 荒野と砂漠エリアに来てからの二日目の夜、自然の厳しさを感じていた。砂漠の夜は冷えると話には聞いたことがあっても、まさかこれ程の寒暖差があるとは想像だにしていなかった。


 もし叶うならば風を通さないという高級な革の羽織と風を通しにくいという安価な毛羽立った羽織を手に取って見比べたあの時に戻りたい。


 値段にして倍以上も差がある理由を知った。まさに身に染み入るようだった。あの時、店主の甘い言葉を鵜呑みにしなければ良かったと思えど、時すでに遅し。


 我慢すれば問題ないと言われた通り、身を縮こめてじっとしていれば寒風も幾分か凌げるのだが、少しでも動けばせっかく温めた熱がそこかしこからの抜けてまた隙間風に凍えることになってしまう。


 俺はその厳しい寒さを身をもって体感する度に安価な羽織を選んだことを後悔していた。


『と、遠いー……あ、や、やっとだ。……やっと休息ポイントが見えて来た。……着いたらまず一番に火を熾そう。……ぅぅー、コタツとミカンが恋しいー……』


 このエリアの入り口となるゲートと、次のエリアへと向かう為のゲートの中央の間は数多くの廃屋が点々と立ち並んでいる。予めその内の一つを休息ポイントとして決めていた。


 そして、そこから探索へと出るのがパーティとしての基本方針として定めたばかりのだが、後悔のせいでそれさえも改善できぬものかと思案してしまっていた。もはや足を前へ前へと動かす度に感じる砂の感触が、雪を踏みしめているのではないかと思う程には凍えてしまっていた。


 砂漠地帯で野営出来れば態々休息ポイントまで戻らなくともよいのだがそうもいかない。その行為はどうやらこのエリアのタブーとされているらしい。


 休息するのであれば荒野か、もしくは廃屋か遺跡の中でするのが鉄則のようだ。砂漠の砂の中を移動するモンスターがいるのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、行っては戻りを繰り返しているのは如何せん効率が悪く思える。


 とは言え、それが安全マージンを支払うという行為であり、致し方ない犠牲なのだろう。このエリア以降の上層階に通うようになれば、これ以上の往復をしなければならない。だからこそ早い内に慣れておくしかないのだと言うことも分かっている。


 押しては引いて、試して慣れてと言うように折角ボスを倒したとしても、辿り付いたその場で野営地を設定するのではなく、予め設定した野営地へと引き返すことは往々にしてあるようだ。


 そうするのも、行きはよいよい帰りは恐いと言ったようなことだろう。無理に押し通れたとしても引き返せなければ、その先で死ぬだけだからだ。


 21階層からはゲートの結界も無い為、安全を確保できない。それだけじゃなくゲートの数自体も激減する。入り口と出口の二つだけだ。


 本来ならば魔窟エリア、山岳エリア、荒野と砂漠エリア、それ以降の上層階には二桁以下の階層なんていうものも無い。まるで山登りと同じように、ただのポイントを一つずつ刻んで階層として表しているだけだ。


 平坦であっても高低差があっても変わらない。次のエリアまでに数字が増えるだけの目安である。そこから外れた外周部分はゲートコンパスを元にした方角が基準になる。


『……ゲートコンパスの方角も合ってる。48階層の目印もあそこにある。印もある。休息ポイントはここで間違いありません!』

「そうね。ここで合ってるわ。“正解”よ」


 これが探検者として求められる技能の一つでもある。今回の遠征ではこういった訓練も兼ねて行っている。パーティメンバーとはぐれてしまった場合や、万が一の際に一人でも帰還できるように、と言った非常事態時に用いられる技能だ。


 一人前の担当者なら出来て当たり前というものだが、念のために一人一人順番交代でその技能が備わっているかの確認を行っている。土壇場で方向音痴が発覚する事が無いようにとのことだった。今回は俺の番だったが何も問題無さそうだ。


「……モンスターの気配はー……“無い”わね」

『ぅう、すぐに設営しようっ、サブくてたまんないっ』

「それじゃあ“手分けして”取り掛かりましょ」


 そうして俺達は得意不徳に合わせて与えられた役割を熟していく。まずはカノンは索敵と警戒を続けてくれている間に皆で砂を掘って窪みを三つ造る。


 一つは焚火場、一つは洗い場、一つは排泄場となる。場所や時によって設営方法は様々であるが、そのほとんどが穴を掘るだけの簡単な造りになっている。


 そうして焚火場でフーガさんが料理を作ってくれるのを待つ。だが料理が出来上がるまで何もしない訳でも無い。湯を沸かしたり、装備の手入れをしたり、設備を整えたりして過ごす。


 湯が沸いた端から順番に、掛け布で覆われただけの洗い場で汚れた身体を拭う。髪を洗ったりと水量が多くなる場合は掘った穴に水が落ちるように跨るか、あれば木の板などを横に渡してその上で洗髪する。


 そしてこの時に傷の確認と手当も済ませる。二日三日であれば汚れを落とす必要もないのだが、今回は訓練も兼ねていることから長期間の遠征を見越して取り入れる事となっている。


 試すのは良いことだ。遠征してみて、やはりと言うか、なんと言うか、改めて思い知ったこともある。生活を共にする上で、一番気を遣うのが排泄時であると知れたからだ。


 少し離れた場所に排泄場を設けているから臭いは届かないまでも、音だけは多少なりとも聞こえてしまうのだ。とは言え、あまり離れすぎた場所に設けた場合、急な襲撃に対処できぬこともある。


 カノンが起きていれば防音を頼めるが、そうでない場合は耳を塞ぐしかない。だがこれも索敵に影響を及ぼす。だから一本の紐を物や人の腕か何かに括りつけていく。そうして何かしらの事態に陥った際にはその紐を引くようにする。


 そうすれば耳を塞いでいようとも駆け付けられるということで俺達のパーティではそう決めた。これは主に二人一組で見張りをする時などに用いられる。


 そんな些細なことであろうとも事前に決めておくことが重要なのだ。経験して見れば見る程に遠征には思いも至らぬことが多い事を知った。


 一週間程度の遠征であれば不満があったとしても我慢も出来るはず。だが、それが数か月間の遠征となればそうもいかないだろう。パーティメンバー間のいざこざが起こりやすくなる。


 マナーやモラル、口調や仕草、何が発端で亀裂を生むか分からない。だから最低限であれどもルールを設けるし、些細なことであれども対策を打つようにするのが良いらしい。


 そうはあってもルールが意味を成さないこともあるようだ。男女混合のパーティで恋愛禁止を掲げたとしても人は人であるからして、色恋うき身をやつすし恋慕の情も抱く。


 そうして修羅場を迎えたパーティが崩壊することもままあるらしい。だから俺達のパーティでは、もし誰かと誰かが恋仲となった場合は隠さないことをルールとして設けることとした。それ以外のルールを決めたとしても結局、有耶無耶になってしまうからだ。


 痴話喧嘩をするなと言っても無理だろう。パーティに持ち込むなと言っても同じこと。俺達のパーティでは無いだろうと信じているが、浮気は御法度と知っていても魔が差す輩もいる。そうして所詮、人は人なのだと達観した様子のカノンが提案するままに決められたルールを定めた。


 予想以上に生々しい。これが遠征二日目にして思い知った俺の感想だ。良くも悪くも色濃く感じる。それも生きているからだろう。ログの酒場で取る食事も美味いが、こうして取る食事もまた違った味わいにも思える。


 口にする食事も、火の暖かさも、人の息遣いでさえも有難く思える。それに恐れや不安から来る緊張感が良い香辛料となり、仲間との信頼関係を互いに引き立て合っているようにも思える。


 これも遠征の持つ魅力の一つだろうという風にも感じる。それはこの厳しい寒さの中であってもだ。いや、厳しいからこそより一層、そう思うのかも知れない。


「夜の見張り……なんだか“楽しそう”ね」

『うん。でも、なんでだろ。なんかワクワクしちゃうんだよなぁ』

「“昨日の夜”死者達デットマンズ行進マーチを迎え討った時も寝れてなかったんでしょ?」

『うん。こんなことなら見張りの順番変えてもらうべきかなーって思ってた』

「“待ってました”と言わんばかりの勢いだったものねー」

『うん。でも、夜には何も起こらない方がいいとはちゃんと思ってるよ』

「そ、ならいいけど。……でも“休む時は休んで”よね」

『うん。欲を言えば限界一杯まで頑張って気絶するみたいに寝入りたいんだけどね』

「“駄目”。そうしても良いって言ったらホントにしそうだし。……心配よ?」

『うん。分かってる。生き急いで死んだら元も子もないし、それは勿体ない』

「……そう、ね。……楽しみたいなら“生きて”ちょうだい」

『うん。……あ、これ美味しー、暖かいお茶にもよく合うよ』


 夜の風は冷たい。毛布と羽織に包まれながら味わう温かい茶が身に染みる。カノンと二人で見張り始めて早2時間は経っただろうか。


 廃屋の二階に座り、遠くを見渡しながら、モンスターや他の探検者が近付いてこないかの警戒中ではあるが、菓子を摘まみながらのんびりとした時間を過ごしていた。


 二人一組二交代制の夜の見張りは腰を落ち着けて会話するには持って来いだ。少し前はカノンと二人で会話する時間も多かったが、今となってはそうもいかないことが増えたように思う。


 それはカノンに限った事では無いが、こう改めて腰を据えて話す機会があればその人を知る切っ掛けにもなるから良いことだと思える。


 人前では話しにくいことも、風の音に紛れさせることで呟きやすくもなる。それが敢えて言う必要の無いことであっても、古傷が癒えたことを自覚する為の行為であったとしても、鬱々とした感情ごと、風に吹かれて運んでくれる気がするのだろう。


 今はどこで何をしているかも分からぬ父親のことを、遠くを見ながら語るカノンの言葉も、風に乗って飛ばされていってしまった。俺がカノンへと暖かい茶を勧めたのも、その風の肌寒さが寂しさを思い出さなければいいと思ってのことだった。


「ねぇ、オーエン。……“居なくならないで”よね」

『うん。……俺は消えたりなんかしない』

「……そ? でも、……ううん、いいわ。……“信じる”」


 そうして俺達は背と背を寄せ合って互い違いの方を眺めていた。この先、何がどうあれ、死ぬつもりなんて無い。だけど、俺はカノンの求めには応えられないかも知れないと思った。


 それはカノンがどうというよりは俺がどうかしているからだ。その時が訪れれば俺はカノンを裏切ってしまうかも知れない。だから、そう答えた。


「でも、私も“着いていく”から」

『……ん、助かる』

「“担当者”ですもの」

『そうだね』


 その受け答えが気に食わなかったのか、もしくは何かしらの当てつけか、カノンは俺の背にわざとらしくもたれ掛かった。そうして空を見上げているのだろう。首の裏にカノンの重みが圧し掛かった。


『あのー……重いんですけど』

「“少しくらい”我慢してよ」

『前も見ずらいし、お茶も飲めない』

「周囲に“異音は”ありませーん」

『へいへい。どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ』

「明日は地図の“赤印”に向かうのよね? 今のうちにルートの確認を……」


 俺の背中をソファの背もたれのようにして、心地良い位置取りを探ってもたれ掛かっていたはずのカノンが突如として起き上がった。俺はその余りの勢いに驚き、手に持っていたカップの中身が揺れて零れそうなった。


『ちょ、あぶなッ……って、急にどうしたの?』

「“地図”よ。……見て、赤印が動いてる。その方向が……」

『ん、……こっちに向かってー……来てる?』

「そう、蛇行しながら……だけど“進行方向は”こっちよね?」

『うん、でも、止まった。……あ、また動き出した』

「何なの? まるで何かを“探してる”みたい……」

『早いぞ、カノン。……皆を起こしてくれるか?』

「ええ、“強めに”【ウィスパー】を飛ばして起こすわ」


 地図の端でじっと動かなかった赤印は夜になると動き出すことがある。それに気付いたのはカノンだったが、それは毎日のことでもないようだった。


 俺達がこのエリアに到達した昨日の夜は動かなかったと報告を受けている。だがしかし、今日は何かを探るようにゲート間を繋ぐ荒野地帯を巡回しているようだった。


 それ以外の規則性は無い。荒野地帯の廃屋が立ち並ぶ地帯を順番に回っては止まり、回っては止まってを繰り返していた。そうして目で追っている内に、


「例のユニークが動き出したんか?」

「先んじて魔力供給を行うのである」

「ど、どこですカ? 魔法を打ちますカ?」

「んー、まだ姿は見えないよーだねー……」

「セフセフ? んぢゃ今のうちにギィ達を呼ぶね」


 皆が眠気眼を尖らせて廃屋の屋根へと集った。その表情を一目見れば意識は鮮明としていることが分かる。とは言え、突然の事態に多少の焦りを感じているようだ。


『落ち着いて、まだ遠い。……けど、グインツを筆頭にココ、ウィーツもいつでも放てる準備をしていて欲しい。……やり過ごせるのであればそれでいいけど、そうじゃなかったら全力で迎え撃つ』


 そう声を掛けると皆は地図に視線を向けたまま迎撃準備を始めた。かく言う俺も地図で揺れ動く赤印をじっと見つめ、陣形配置や連携選択を前もって指示していく。


 どんなモンスターが現れても良いように大型、中型、小型を想定しつつ、対策案を打ち出し続けていた。そうして、


「なんや見えたで。……ん、……あれか?」

『明かりが灯ってる……印とは別の探検者かも』

「……いえ、明かに“おかしい音”がするわ」

「と、言うことは探検者風のモンスターであるか?」

「あの人の足下から“異音”が聞こえる。……潜んでるわ」

「ち、近づいたらガブって、来るかもで、ス?」

「うえー、ギィ達と相性わるそー……」


 ここから見ればただの明かりを持って歩いている探検者のようだった。目を凝らして見るが、手に持った明かり、恐らくカンテラのような何かだろう。


 その光が草臥くたびれたローブの隙間から、甲冑か何かに反射して煌びやかに輝いているように見えた。その謎の人物がゆっくりと近付いて来ていた。


「……止まった? ……ヤツも完全に俺達の事を視認したはずだ」

「おい、あれ、お辞儀しとるで? ……あれほんまにモンスターか?」

「敵意は無さそうだけど“普通の人間じゃない事だけ”は確かよ」

「そうまで言うのであれば操られてる線も薄いということであろうな」

「んー、何がしたいんだろーねー、目的が分からないねー?」


 草臥れたローブからは片腕だけが見えていた。掌には光が、そして腕に何やらアクセサリーのようなものを幾つも着けているようだ。それが光に反射して煌めいている。


「……ひぃー、お化けみたい」

「ヨ、ヨウちゃん、や、やめてくださイ」

「シッ、懐から何かを“取り出した”わよ」

『なんだ? ……コインか? 足元に金を撒いてる?』


 ローブから伸びた手を懐にしまうと、金や銀色に輝く物を取り出した。そして足元に落とすと後ろへと一歩下がり、手招きをして見せた。


 呼んでいるのだろう。後ろを振り返り何かを指さすようにしたりと俺達の気を引いているようだった。だが、そんなことをしても罠の恐れがあると分かっていて近づくはずがない。その様子を見ていると、


「――攻撃ッ! ……では、ない、みたいやな?」

『嘘だろ……、ヤツが投げて来たのは……』

「探検者タグで、あるな。ここから見ても間違いない」

「いち、に、さん、鉄と銀、かな? それに金もある」


 俺達が休息ポイントとしている廃屋から少しだけ離れた位置に、あのローブを来た正体不明の人物がタグを投げて寄越して来たのだ。


 それをグインツやヨウが2階部分から覗き込むようにして見て報告してくれたのだが、俺は飛来した時点でそれが何かを気付いてしまっていた。緩慢とした視界を持つ俺からしてみれば、見慣れた物が舞っていれば気付かぬ訳もない。


「……っぱり、あれは“ネームド”よ」


 そしてカノンがそう呟いたのを聞き逃す訳も無かった。それと同時、背筋の筋肉が硬直し、己が耳を疑った。だがしかし、戦慄の表情を浮かべていたのは俺だけでは無かった。


「“絶対に”ここから降りないで! 一歩でも砂漠エリアに入れば“どうなるか”分からないわ!」

『……あ、あれが、ネームドユニークモンスターで間違いないのか?』

「ま、間違いないわ。……〈コレクター〉〈案内人〉〈死神〉呼ばれ方は様々だけど昔から居るモンスターよ。……でも、大丈夫、砂漠エリアに、行かなければ“襲って来ないはず”だわ」


 動揺。まるでカノンはこれが夢か幻かと今更疑うかのようにたじろいでいた。だが、ここで正気を失ってしまう訳にはいかないと強く気を持つように歯を食いしばって耐えているようだった。


 ただカノンは、俺の腕を放そうとはしなかった。震えながらも力強くただ握り締められてしまっていた。


「過去、探索部隊を組んでさえも見付けられなかったモンスターであるか。……ふむ、なるほど、日中を巣穴で過ごし、夜に餌を求める、か。……それにしても覚えた味、好む趣味が悪かろう」

「グインツ、何を呑気に考えてんのよっ! ねね、に、逃げた方が良いんじゃない? そしたら……」

「“駄目”よッ、絶対に動かないでッ、お願いだから〈コレクター〉が諦めるまでじっとしていて……」

「あれ、相当やっとるで。腕だけやなくてローブの内側に仰山垂らしとる。金銀だけやないかも知れん」

「でも、下手に攻撃しない限り、寄ってこないんでしょー? なら、大丈夫そだねー」


 ここから見れば草臥れたローブを羽織った老人だ。見るだけであれば何の脅威も感じない。だが、それはあのモンスターの逸話を知らぬからだろう。


『このまま待機する。……万が一の場合は、一斉攻撃後に退避しよう』

「了解や。カノンちゃん、アイツはそない強いんかいな?」

「分からないわ。判断材料が不確かなの。“だからこそ”よ」

「逃げ延びた人もいるから名が付いた。が、しかし、実力もそれぞれ。で、あるからして実際どうであるかが分からぬと言うことであるな。誇張、もしくは矮小化されて伝えられている可能性が、半々か」


 俺達が会話を続けている間も〈コレクター〉と呼ばれたモンスターは探検者タグを放り投げては様子を見て、そして手招きをして待って見て、しつこく俺達を砂漠地帯へと誘い出そうとしていた。


 だが、俺達が一向に誘いに乗る気配も無いと知るや、砂漠地帯に散らばったタグを拾い集め、そして音も無く瞬時に暗闇の中に消えてしまった。


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