第31話


 俺はカノンの地図を頼りに、中ボスが居るだろう部屋へと向かっていた。


 すると、程なくして一本の道が見えて来た。その道は何の変哲もない道にルートが記されているのだが、奥には何もないように見える。


 道の奥の方で水晶が光を放っており見通しが良い。遠目から見ても行き止まりの袋小路になっていると分かる道だ。ルートを間違えたのかと思いながら近づいて、その道の入り口から見てみても、すぐそこは突き当りのように見える。


 マップに記されていなければ、奥まで行くまでも無いと思って別の道を行くだろう。だが、地図と何度照らし合わせて見ても、やはりこの道で間違いないようだった。マップを記したのはカノンだ。無駄骨になることはないだろう。


『……ぉ、……なるほど』


 壁に手を当てて奥を目指してみれば不意に曲がり角が現れた。恐らくこの通路は、目の錯覚と思い込みを誘発させるような作りになっていると振り返ってみて気付いた。


 道幅が奥に行くに連れて狭まっており、岩壁が作られたパターンのように整っている。そして光の加減で上手く誤魔化しているようだった。


 一見、継ぎはぎの様に見える岩壁が、遠目から見ればパズルのピースのように合わさり道を隠している。突き当りの壁を照らす光で行き止まりと錯覚させつつ、道がある部分に違和感を覚えさせないように、それと光で粗を目立たせないようにしている。まるで意図的に作られているトリックアートのようだった。


『……すげぇな。……ここまでして、何を隠してるんだ』


 これをダンジョンが自ら作り出したのならば、もしかするとダンジョンにも意志があるのではないかと思わせられる。ダンジョンは生きているとこの世界の住人は言っているが、これを見れば俺の考えは軽く、侮っていたと言える。


 ここより上の層階で罠が設置されていると聞いた事がある。だが、このレベルのもの。人間の認識さえも意識して設置された罠だとすれば、今の俺では罠を避けることは到底難しいだろう。全てが運任せになってしまう。


 罠が配置されていないエリアだからこそ、呑気に関心していられるが、何かしらの手を打つ必要がありそうだ。そう先の心配をしながらも、隠されていた道を行く俺の足は止まりはしない。


『……広い、な。……ほー、……如何にもって感じだ。……ここが中ボスがいるとこだよな?』


 曲がり角の奥へと進むと、広い空間に出た。少し大きめの体育館位のサイズだろうか。だがしかし、ボスらしきモンスターの姿は無い。大きな鍾乳洞のような歪な岩や段差がある空間の奥には大きな穴が口を開いている。中ボスが現れるとすればあそこからだろうと思えるような穴だ。


 俺は入り口のところで穴を見たまま魔槍を握り、腰を落として構えて待った。


 顔は穴に向けて周辺を見るが、他の雑魚モンスターの気配は無い。光る苔と照明替わりのクリスタルが至る所に生えているから視界も良好。おあつらえ向きに戦う場所は平らな地面で、戦うには十分な広さがある。


 だけれども気を付けないといけないのは天井からは鍾乳洞のつらら石と周辺の地面からはつらら石と似た針のような石だ。それがあちらこちらに伸びている。


 地形を見た俺は、尖った岩の落石のことや、吹き飛ばされてしまった際の対処法だとか、奥の穴へと追い込まれた場合の危険性を考慮したりだとか、穴へは寄り過ぎずに手前側で戦おうなどと、そんなことをモンスターが現れるまでの間に考えていた。


『……で、いつ出て来るんだ?』


 魔槍を構えた状態で警戒していたが、いくら待てども中ボスが現れる気配がなかった。


『おーいっ……、もう誰かに倒されちゃったのかー? おぉーいっ!』


 独り言をぼそぼそ話す声量ではなく、明確に呼びかけて見たが、鍾乳洞の空間は静かな物だった。


『おかしいな……、どうしよう、んー……覗いてみるか』


 いっそ穴の中に向けて、声を掛けて呼んでみようと思い、縦穴へと近づいた時、その縦穴から風が吹き抜ける音が聞こえた。


『……なんかッ、来るッ!』


 深い縦穴から咄嗟に飛び退いた瞬間、縦穴からは暗闇が飛び出して来た。いや、そう思うほどの体色をしたモンスターが大きな翼を広げて、俺の目の前へと現れ、その鋭い眼光を向け、見下ろしていた。


『ぶッ――わっ、すげぇ風圧ッ……』


 突如、眼前に現れたモンスターが羽ばたく度に砂塵が舞い上がる。


 悠然と宙に浮き、俺を見下ろすその姿は、まるで悪魔のようだ。


 漆黒の体躯は人と獣を掛け合わしたかのような見た目、隆々とした上半身は人のようだが、顔と下半身は獣に近く、短い毛並みが羽が巻き起こす風に靡いている。


『人型の、コウモリ? ……に、しても、逞しすぎるな』


 額にはねじくれた角、頬まで裂けた口元からは上下両方から鋭い犬歯がはみ出ている。あれに噛み付かれでもしたら、血を吸われるどころの話ではない。


『レッツ……ッ!? なんッ……だ!? ……ぐっ、これは』


 魔法発動を終えてすぐ、ヤツに向かって繰り出そうとしていた矢先のことだった。ヤツの大口が開いた瞬間、視界がブレた。そう理解した次の瞬間には頭に鋭い痛みが走る。


『ぐっ、……音、波っ、か……』


 顔を顰めて抵抗しても意味は無い。ヤツの見た目からコウモリと推測した俺は、その攻撃の方法に辺りを付けて抵抗する。だがしかし、魔槍を肩に立て掛け、両手で耳を塞いで見ても、痛みの強さが増すばかりだった。


『ぐ、まずぃ……ァ゛ア、……ア゛ッァァアアアアアアアアアアア゛ァッ!!』


 音には音で対抗するしかないと思い、強引に叫び散らして見る。だが、そんなことで相殺できるわけでもなく、幾分も増しになったように思えなかった。ただ痛みに悶絶しながら叫んだだけに留まる。このままでは痛みに思考を持っていかれてしまう。そう思ったからこそ、前へと走り出す。


『いい加減ッ、……ヤメッ、ロォッ!』


 走り出してすぐ、腰のホルダーから投げナイフを2本、大きな羽に向けて放つ。俺がナイフを放った瞬間、ヤツは身構えた。だが、音の波を突き破って進むナイフを避けることは出来ないようだった。


『ざまぁ見ろッ、バカヤローッ、……痛ツツ、……次にまた口開いてみろッ、手持ちのナイフ全部ぶち込んで、やるからなーッ!』


 怯んだヤツは、大穴へと吸い込まれていった。続いて追撃を打ち込みたいのは山々だったが、飛び込むわけにはいかない。悔し紛れに大穴へと向かって悪態を付くに留まった。


『血が耳から噴き出す……なんてことはない、みたいだな』


 俺はヤツが戻って来るのを待つ間、聴覚の異常が無いかを確かめ、水気を払う犬のように身を震わせていた。三半規管がやられてしまえば、立つことも難しいだろう。音波攻撃には気を付けねばならない。 


『……やっぱ、ナイフ二本くらいで死ぬ訳ないよな』


 穴から勢いよく飛び出して来たヤツは怒りに満ちているようだ。今度は音波ではなく、歯をむき出しにして唸り声を上げている。


 苦し紛れのナイフは、確かにヤツへと命中したが、大したダメージにはなっていない。先ほどと変わらぬ様子で羽ばたいている。だが、ヤツは俺の攻撃に警戒しているようだった。


 再び、投げナイフを放とうとした時、ヤツは両手を広げ、勢いよく胸の前で交差させた。


『おぉッ!? ……風魔法ッ』


 魔力を込めた攻撃が放たれた。それを理解した瞬間、俺は横っ飛びで回避する。鋭いブレードのような風が硬い地面に溝を刻み着け、背後に伸びていた針のような石を割った。


『……えげつねぇなッ、……見た目に似合わずッ、遠距離ッ、主体かよッ』


 切り刻まれていく岩や地面の断面から察するにヤツの風魔法を受けることは出来ない。切断された岩の断面が風魔法の恐ろしさを物語っている。まるで粘土に糸を引いたようだ。そんな凶悪な攻撃を大穴の上で飛びながら当たるまで打ち続けるのがヤツの戦闘スタイルだろうか。


 飛べない俺はどうしようにも、大穴へ落ちることを考えてしまう。飛びついたとしても避けられてしまうだろうし、遠距離攻撃の手段にも数が限られている。だが、攻略の糸口を見出そうとしている俺に、またあの超音波攻撃が襲い掛かる。


『――ぎィッ、……キッ、ツいんだよッ、それはァッ!』


 投げナイフを苦し紛れに放とうとすれば、ヤツは羽を折りたたみ、顔の前で腕をクロスさせ、丸まるように膝を折り曲げて、投げナイフをガードする仕草を見せた。俺が動き始めてすぐ、ヤツは防御姿勢を取ったのだ。


 喉元を狙ったナイフがヤツの逞しい腕に突き刺さる。そうして折りたたんだ羽を広げ、ヤツはまた羽ばたく。その間も、その後も超音波は止まない。


『く、黙れよッ……』


 一本、また一本と超音波攻撃を止めるまで投げ続けるしかなかった。ホルダーにセットしていた投げナイフを投げ尽くした時、願いが叶ったのか超音波攻撃が止んだ。ポーチから投げナイフの予備を取り出し補充しつつ、助かったと安堵していれば、またヤツの風魔法が飛来する。


『チッ、……くしょうッ! 相性が悪いなぁ、オイッ!?』


 空を飛ぶ相手がこうも厄介だとは思いもしていなかった。念の為と用意していた投げナイフが無ければ詰んでいたかも知れない。ホルダーに補充を終え、右手を前に、槍の柄を持って構えようとした時、ヤツがまたあの防御態勢を取った。


『……なるほど、……ビビッてんだな?』


 決定打になりそうにない小さなナイフだが、空を飛ぶヤツに取ってみれば有効打になっていた訳だ。それに避けられないものと割り切っているからこそのあの態勢。利口ではあるが、その態勢を取るにも限度がある。翼を折りたたんでいる間は僅かといえど、その間は飛んでいられず落ちるしかないからだ。


『ならッ、おらッ、どうだッ、……んんんー、おらッ、フェイントだ馬鹿野郎ッ』


 俺は何度も右手を半身で隠し、ホルダーに手を伸ばし、投げる振りをして、フェイントを掛け続けた。すると、ヤツは遊ばれているのが分かったのか、次第に防御が緩んでいく。


 それはヤツからしてみれば仕方のないことだろう。目まで覆い隠すように腕で顔面を防御していたが、いつまで経っても飛んでこない攻撃を不審に思ったのだ。僅か、ほんの僅かな腕の隙間からこちらの様子を伺い始めた。


『――そこッだぁああッ!!』


 投げ放たれたナイフがその隙間をすり抜けた瞬間、ヤツの悲鳴が上がる。そうして悶え、苦しみながら身体を大穴の縁に打ち付けてながらヤツは落ちていった。だがしかし、喚き散らすように叫ぶヤツの声は大穴の中から轟いて聞こえてくる。


『今しかない……』


 勝機を見出し、意を決す。ヤツが穴から戻って来る前に大穴の縁に立ち、戻って来た時を狙って攻撃を仕掛ける算段だ。


『……戻ッ、うおぉおお!?』


 もう少しで穴の縁といったところで、やたら滅多に風魔法を打ち放ちながらヤツは戻って来てしまった。吹き荒れる風に飛び散る岩床につらら石。ヤツは飛ぶのを止め、羽で風魔法を起こし、その四肢で壁を掴み、飛び跳ね、きりきり舞いの如く荒れ狂い、大穴の前の地面に降り立った。


『まるで……野獣だな』


 右目から血が滴り、残った左目で憎しみの籠った視線を向けられている。地面に四肢を付け、羽を大きく広げて威嚇する様は獰猛な獣であった。


 意図した訳では無いが、結果的に地面に引きずり下ろすことは出来た。だが、安易に近づくことを許さないその気迫から、俺は二の足を踏んでしまう。雌雄を決す、そのタイミングをお互いに見計らっているようだった。


 だからこそ俺は、敢えてホルダーにゆっくりと手を伸ばした。


『……もう避けねぇってか』


 ヤツは目を細めるが、防御態勢を取らない。広げられたままの羽も動かない。まるでその時を待つ弦を引いた状態の弓のようだ。魔法を放つ準備を整えているのは分かりきったことだが、無駄打ちの誘発も出来なかった。もしナイフを投げれば、それと同時、ヤツの魔法が襲い掛かるだろう。


『我慢比べは……しないぞ』


 構え直し、ゆっくりと一歩ずつ横へ動く、大穴とヤツと俺と直線上にならないようにする為だ。インファイトには自信があるが、それでも万が一を考える。真正面で捉えようとするヤツもこちらを視界に入れたまま動く。


『……こっちだッ、……んぉあッ!?』


 ヤツの側面の方へ、大穴が直線上に来ないように回り込んだ時、方向転換すればいいだけのヤツが慌てるように突然、俺と大穴の中間地点に向けて飛び出して来た。


『なんっ、……だ?』


 先手後手の探り合いをしていたと思っていた。そんな素振りも見せなかったはずなのに何故と疑問が頭に過る。翼を広げて唸ったままヤツは動こうとしない。それを見た俺の頭の中で点と点が符合した。


『……守ってる、のか?』


 そう思えば、不自然な行動を取っていたようにも思えた。遠距離主体であることも、離れようとしないことも、そうなのだろう。大穴を覗き込もうと俺が近づいた時、ヤツは慌てていたのかも知れない。もしそうなのだとしたら望む所である。


『じゃあ、やろうぜ』


 左右に揺さぶることもせず、ただ真っ直ぐに近づいていく。威嚇の咆哮をわざとらしく上げる辺り、ヤツの警戒と緊張が伝わってくるようだ。俺は足の力を抜いて腰を落とし、前のめりに屈んだと同時、風魔法が飛んでくるよりも前に、ヤツの眼前へと踏み込む。


『――ッらぁあ!』


 後ろ髪が靡くのを感じた。その瞬間、血の飛沫が吹き掛かった。俺の額と首元に暖かさを感じた。だが、まだ倒れる気配は無かった。


『甘いッ、ぅぉッ、……インファイトもッ、……中々ッ、やるもんだなッ!?』


 横薙ぎの振り払いを屈んで避ける。鋭い爪の連撃を魔槍で受け、流し、避ける。後ろに飛べば風魔法が後を追って来る。隙を与えれば超音波を放とうとする。やはり、獣のようなその体躯から見て取れるように、近距離も得意とするようだ。


『ぅおらッ、押し負け、ねぇぞッ!』


 連撃の応酬が続く。一見、両腕を乱暴に振るっているように見えるヤツの攻撃は素早く、それに的確だ。辛うじて避けたかと思えば、痛みが腕に走り、赤い筋が引かれる。致命傷には至らずとも互いに少しずつ傷が増えていく。


 離れぬように立ち回る俺と、突き放したいヤツとの勝負は、まるでフェンシングの試合の様だ。詰めては引いて、押しつ押されつ、攻めては耐えてを繰り返す。それが続くほどに苦しさから気持ちが逸る。決め手となる一撃を想像し過ぎれば焦って空振りとなる。そうなれば態勢を立て直す間も無く、超音波が襲い掛かる。


『……うるッ、セェッなッ!?』


 超音波と咆哮が耳を麻痺させる。もはやそれが耳鳴りか、魔槍と爪がぶつかる剣戟の音かも分からない。方向感覚を失ってしまう前に、なんとしても決着を付けなければならない。その焦りが、思い付きを惑わせる。それが正しい答えか考えても分からない。推察は正しいだろう。そう思える。ならば試す他ない。そう決めた俺は、後ろに飛んで間合いを取りがてら、投げナイフで牽制する。


『ッ、らッ、よッ』


 ヤツがナイフに怯んでいる間に、左手を前にして右手で柄の端を握り、突撃の構えを取る。


 スカされれば終わりだ。もしそうなったら一か八か、ヤツが隠し阻んでいる大穴へと飛び込む。そうなってしまえば、後はどうなるか分からない。だが、ヤツならきっと追いかけて来るだろう。それが最終手段でもあり、万が一の苦肉の策としておこう。


『でも、……避けんじゃねーぞッ』


 ヤツもまた両手を広げ、牙を剥きだしに待ち受けている。


 決して通さぬという意志だろうか。大きな体躯で示しているように思える。翼という折角の機動力を殺してまでそうする理由があるのだろう。獰猛なモンスターにも譲れぬ物があるということだ。


『……ぅぉおおおオオッ!』


 急加速、渾身の疾走と同時、狭まる視界。ゾーンと呼ばれる超集中によるものなのだろう。狙いが一点に集中する。踏み込む足からの衝撃をも前に、身体を押し出しように踏み込む度に加速しているのが分かる。鬱陶しい風の抵抗を魔槍の穂先で突き破るように構えながら進む。


 一歩、また一歩とヤツに詰め寄り、後数歩で届くといったところで、ヤツが動いた。


 それは獣の感というのだろうか、あまりにもタイミングが一致していた。ヤツと打ち合う時に見せた突進攻撃、懐に飛び込む為の急加速は一度だけだったはずだが、ものの見事に俺の動き出しに合わせて来た。


 その両腕は飛び込む俺を抱きしめるように、鋭い爪で切り裂かんとしている。大きく広げられた艶めく羽もまた風魔法を放とうとしていた。


『そう……だろうなッ!』


 リーチ差を考えれば爪を避けることは出来る。だが、間合いに入る前に風魔法を放たれてしまえば潜り抜けることは難しいだろう。敵ながら天晴。持ち得る手段を上手く使ったまでだ。


 俺が投げナイフを用いたようにするのも当然。魔槍での一撃決着を考えるのも持ちうる手段の選択でしかない。俺がヤツだとしても、ヤツがやったように俺だってそうする。


 後少し、踏み込めば魔槍の間合い。足に、腰に、腹に、肩に、碗に、順々にありったけの力を注ぎ込む。筋繊維が引き千切れるような痛みを、歯を食いしばりながら耐える。緩慢とした感覚の中、それでも早く、速く、疾くと力を込め続けた一撃をヤツの土手っ腹目掛け、投げ放つ―― 


『――らぁッ、あッアアアアアア゛ア゛ッア゛ッ!!』


 仰け反り、跳ね上がる体躯、狭められた両腕の隙間を過ぎ通った魔槍が、ヤツの胸の中心に深々と突き刺さる。衝撃を殺しきれず、魔法を放たんと踏ん張っていた足が地面に途切れ途切れの道を残す。


 ヤツは血反吐を吐き、与太付きながらも、後ろへ倒れようとしない。魔槍の柄を握りしめ、引き抜こうとした時、ぐったりと項垂れるようにヤツは首を下げ、最後は前へ向きに地面へと崩れ落ちた。


『……はぁ、はぁ、……良かった。……決まった。……これで、終わり、だ』


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