第55話
アリサの叫び声を聞いた俺たち四人は指示通りサテュガンから離れる。
ゆっくりとサテュガンが起き上がる。
「花蓮!」
俺が、花蓮に前に戦った時はこんなことあったかという意味で問う。
「知らない……こんなの私は知らない……」
彼女は力なく首を振る。
「つまり、Cマイナスランク三十人が束になってもこんなに奴はダメージをおわなかったということか」
自分たちの実力と他のクラスメイトとの実力差を俺は言いながら肌で感じるが、今はそんなことを考えている時ではない。
サテュガンの肌が黒くなる。
五本の指は紫色に変色する。
悪魔のような姿。
俺たちは誰もがみな疲労で思うように動けなかった。
シエンがポーションをみんなに配る。
俺たちはそれを飲む。
「あんまりもう、薬は――――!」シエンがそういう。
アリサが何も言わず、半球の壁魔法を唱える。
「念のため奴の周りと私たちをこの防御魔法で囲んだわ、これで少しは時間を――――」
自分を包囲する魔法にサテュガンは動揺を見せなかった。
それどころか奴は両腕を前に突き出し手をパーの形に開く。
「何の真似だ……アリサのまねのつもりか?」
ムセンが呟く。
アリサが目を見開く。
「不味い、あれは――――――!」シエンが叫ぶ。
その直後、俺たちの足元に巨大な紫色の魔法陣が発生する。
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