第45話
俺はふと頭の中にうかんだ疑問を口にする。
「えっ俺も行くんすか?」
ムセンが上手く説明できずにポールに視線をやる。
ポールはやれやれといった感じで説明をする。
「君は前の戦いで実績があるし、いてくれると助かる。森の中の魔物についてあんまり知らないし、カルナ以外森にあんまり慣れていないんだ」
「でももっと適任とかいるでしょ」
俺はシエスタの顔を思い浮かべる。
「まぁね、でもギルドの人にいわゆるボランティアとして来てもらった方が後処理が楽なんだよ。それにクラスメイトの顔全員の顔を花蓮と君で念のために確認してもらったほうが無駄がない」
ポールが申し訳なさそうにそう話すので、俺は溜息をついて俺は渋々提案する。
「どんな装備がいいか見繕ってくれませんか」
「そうこなくっちゃな!」とムセンは快活に言い放つ。
俺は鍛冶屋で中古の高級な黒い革装備を鍛冶屋の人とムセンのアドバイスを元に購入してすぐに着用する。
ちなみに革装備に限っては中古品の方が体になじみやすいため高いのだ。
「お前には剣よりもこっちの方がいいだろう」俺はムセンにそういわれて結構かっこいい黒い
「しっくりくるな、ありがとうムセンさん」
「ムセンでいいぜ、兄弟!」
「わかった……ありがとうムセン」
「おうよ」
俺はムセンと肩を組んで、鍛冶屋から出る。
「……準備は全員整ったわ」アリサが言う。
「よし、出発だ!」
ポールがそう言って、全員が元気に手をあげて意気揚々と馬車で目的地のふもとまで向かう。
※ ※ ※
洞窟の中、一人の男が骨付き肉を貪り食っていた。
山賊の一人が、高級な甲冑とマントを着たその男に話しかける。
「
「今日の収穫は?」男は肉を食べ終えた後、肉の骨をしゃぶりながら、深く玉座に座り、頬杖をつきながら面倒そうに話す。
「へ、へい!捕虜たちの所持金30万G、男はひょろひょろで使い物にはなりませんが、女はことのほか上玉が多く……全員を売れば100万Gはするかと」と報告に来た下っ端山賊はそう答える。
「そうか……女の種族は?」
「へい、ほとんどが魔力を持ち合わせていない異世界人だそうです」
頭の眉が上機嫌にぴくりと動く。
「そうか…………異世界人か……そいつはいい」男は口にくわえた骨を吐き捨てる。
「男どもの処分はいかように?」
「殺しても事後処理が面倒だ……装備を剥いで魔物の餌にでもしてやれ」
「へい!」
下っ端山賊が去った後、山賊頭の高笑いの声が洞窟内に響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。