第41話

 教会のシスターから治療を受けた後、花蓮は俺に必死に話しかける。


 「クラスのみんなが……みんなが……」


 俺の両肩をつかんで俺の体をゆする。


 「とりあえず、落ち着け……あと臭いぞ」と俺はつとめて冷静にそういう。


 「うぐぐ……銭湯に行きたいのはやまやまだけど」


 俺は溜息をついて、銭湯代を渡す。


 銭湯でさっぱりした彼女はがつがつと俺のおごりで飯をたらふく食べていた。


 彼女のいうところによればお金が底をついたらしい。


 料理をたいらげた後、彼女はシュワシュワンを一気に飲み干す。


 シエスタは用事があるらしいと先に帰っている。


 「…………飯食ったし宿代渡したから、さっさと宿で帰って休め。あと一応言っておくが俺も暇じゃないし、あんまりお前に金を渡すと物乞いに狙われるからな」


 彼女はしょんぼりする。

 

 その後、彼女は大粒の涙を流す。


 俺は溜息をつく。


 「……話だけなら聞くぞ」

 

 彼女は俺から受け取ったハンカチで涙を拭いて、ぽつりぽつりと事情を語りだした。


   

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