生徒会長からの依頼

第40話

 俺の事務処理仕事の評価は決して悪くなかった。


 それに加えてバジリスクを討伐する際に冒険者と協力したことも相まって、俺は現代日本でいう新人賞のようなものを異世界で受賞した。

 

 そしてボーナスがもらえた。


 なんだかんだいろんなものが積み上げられて俺は嬉しくなる。


 新人賞をとったといえど、俺のことを知っている冒険者は少ない。


 シエスタと一緒に一杯やりながらいつものように話しているとシエスタが愚痴を言う。


 「最近、森が静かなのよね」


 「というと?」


 「魔物の警戒心が強くなってなかなか姿をあらわさないのよ」


 「だから魔物料理が最近高いのか」


 「えぇ、まぁ魔物の被害も少なくなってきているわ」


 「それがいつからかわかるか?」


 「ここニ、三日……リョウキが迷宮から帰った時からよ……何か嫌な予感がするわ」


 「そうだな……俺の仕事が増えるのは勘弁だ」

 

 「そうね……まぁ当分はなにか依頼があるのか待つことにするわ」憂いを含んだシエスタの表情に俺も内心不安を抱く。


 俺とシエスタが同時に木樽ジョッキから飲み物を一口飲む。


 ※ ※ ※


 時間をつぶしていると酒場に一人誰かが入ってきた合図の鈴の音が鳴る。

 

 その後、どさりと誰かが倒れる音がする。


 なんだなんだと野次馬が周りに集まる。


 俺は会計を済ませて酒場から出ようとするも酒場の入り口に人が集まっているせいで俺は出れない。


 俺は謝りながら人込みをかき分けると、そこにいたのは―――――。


 生徒会長の花蓮だった。


 俺はすぐに酒場の受付嬢に教会からシスターを手配するように頼んだ。


 

 

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