第11話

 肉屋でシエスタの冒険者名刺をもらう。


 レベルC+……制度の仕組みが分からんから強いかどうかわからん。


 「あぁ、あなた異世界人だからここの冒険者ランクについて知らなかったのよね」


 俺は頷く。


 「Sが最高ランクで国単位で50人しかいない。そこからAプラス、A、Aマイナス、B+と続いていくわ。私はちょうど中間に位置する階級よ、これでも結構頑張ったのよ。ほとんどの人はFランクから抜け出せずに辞めてしまうから」


 「へぇ~」


 「この国ってどのくらい冒険者がいるんだ?」


 「まぁざっと5万人くらいかしらね」


 「ふぅん」


 「Sランクは50人、Aランクは450人、Bランクは2500人、Cランクは5000人、Dランクが12000、Fランクがのこりよ」


 「Fランク多すぎね?」


 「まぁね、冒険者といっても迷宮にもぐったり新しい魔族の領域にいる魔族を討伐することはいわば国家事業と化していてBランク以上じゃないとやれないし、Cランクが実質、魔物退治の中核をなしているわ。Dランクになってやっと魔物退治を許可されるのよ、雑魚のさらに下位互換だけどね」


 俺は相槌を打つ。

 

 「Fランクは何をしているんだ?」


 「なんでも屋に近いわね……あなたの世界でいうと何が一番近いかしら、市民の声を聞いて治安を守る職業よ」


 俺は警察官を思い浮かべる。


 Bランク以上が軍で、Cランク冒険者は猟師に近いな。


 「なるほど、わかりやすい説明たすかる」


 彼女はくすぐったそうに笑うのだった。


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る