第三話 第一関門、突破‼

「やった。先輩と恋叶祭りに行ける。」

電話を終えた私は一人、部屋でそう叫んだ。普段なら、お母さんが『結花。うるさいわよ。静かにしなさい‼』な~んて怒ってくるが今日はそんなことはない。だって今日、お母さんは仕事で家にいないんだから。それにしても、今回は自分でもうまくいったことにびっくりしている。だって、あの賭けに先輩が乗ってくる確率は五分五分だったからだ。きっと先輩は普通に誘っても来てくれない。だって、先輩はお祭りとかが嫌いだから。本人曰く『祭りだからって言ってただの氷とかに300円も使いたくない。』だそうだ。でも、先輩は勝負が好きで、超が付くほどの負けず嫌いだ。だから私はこの賭けに乗ってくる可能性に賭けた。きっと先輩は今頃気付いているだろう。この賭けには先輩には利益がないことを。

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