第四話 本当の気持ち

はぁ。天気予報を見ながら、俺はそう溜息を吐く。結花と祭りに行く日まであと二日。二日後の天気は晴。そして驚異の降水確率0%。ヤバイ。ガチでヤバイ。このままだと後輩と、結花と一緒に祭りに行くことになってしまう。ちなみに、勘違いをしてほしくないが俺は結花のことが嫌いなわけではない。むしろ結花のことは好きだ。大好きだ。可愛くて、優しくて、自分のことを信用してくれる……。そんな、そんな後輩を嫌いになれるはずがない。結花と一緒にいると楽しいし、すっと一緒にいたいって思える。だからこそ、だからこそダメなんだ。もし彼女と結花と一生を共にするのであればそれは、『祭りの力』ではなくて、自分の力でその未来を手に入れなければならない。祭りだとか、心理学とかそんな手を使って手に入れたものでは意味がないのだ。そんな方法で手に入れる愛に価値なんてない。ぶつかり合って、時には離れて、そうやって遠回りをしながら手に入れる愛にこそ価値があるのだ。だから、だからダメなんだ。あの祭りに行っては。あの祭りに大好きな後輩と一緒に行っては。

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