第5話 回想

 街のとあるビルの中で健人は日々仕事をしている。鳴りやまない電話。上司からは厳しい言葉を浴びせられる。健人はそんな毎日の中で、山奥の町を思い出している。あの町ではこんなに忙しいことはなかった。

 自分がしたかった仕事はこんなものだったのだろうか。

 健人は朝早くから夜遅くまで仕事をしている。山積みの書類。鳴りやまない電話。相変わらず上司からは怒られる。その内に山積みの書類を見るのが嫌になっている健人。精神的にもそろそろ限界がある。

 夢を見ていた街は自分には合わなかった。現実がこれだった。

 健人が退職をして、山奥の町に戻った時は表情が暗かった。精神的にも参っていたから。その心を癒やしたのは山奥の町の自然だ。

 やっぱり自分にはこの町の方が気が楽になれるな。

 健人は無職になったが、山奥の自然が健人の心を癒した。両親からは、ゆっくりでいいから元気になりなさいと。確かに、この山奥の町は田舎だ。けれども、健人にとっては一番安心できる環境である。

 部屋の中で、外国の貨幣を一枚手に持って見つめている健人。

 これから、どうしようかな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る