第4話 遅れてセミ

 今朝は早めに散歩している健人。寝転がっているばかりではダメだと自覚しているから。けれども、何かの目的があるわけでもなく、ただぶらぶらとしているだけの健人。

 あ、セミが鳴いているなあ。

 トンボは飛んでいるなあ。

 そう健人は気付いた。遅れてのセミ。

 そう言えば、セミって生きる期間が短いのだったかな?

 みんみんとセミは鳴いている。どうやら一匹だけの鳴き声らしい。どこかさびしい感じのセミの鳴き声である。

 健人は、またしても開運の寺で参拝をする。どうやら何度もお願いをすれば、より強力なことが実現すると勝手に思う健人。大事なのは参拝する心である。

 最近は仕事を全くしていないなあ。

 健人は無職である。願い事も終わって、健人は町のコンビニに向かう。山奥の町だけど、コンビニはあるわけで。

 本屋も出来ないかな?

 健人はこの町のことで不満に思ったことはなかった。あるとするならば、仕事をしていた時の街に戻ってみたいと考える。

 でも、もういいや。

 健人は元気のない表情になりながらコンビニに入った。涼しい、この町のオアシスのような、と健人が勝手なことをぼんやりしながら思って食べ物を見てまわる。

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