第164話 レベルアップと生姜焼きと

 ギルドランク昇格試験を無事に終え、ジャズは休暇を楽しんでいた。

いつもの様に女将さんの店へ行き、料理に舌鼓を打ち、今日も町中をぶらつくのだが、休暇も残すところあと数日。さて、ジャズは休暇を満喫できるのでしょうか?

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 今日で休暇も残すところあと一週間、色々あったな。


 ギルドランク昇格試験から三日、体を休める為にガーネットとは一党を一時解散し、寝て過ごした。


 ガーネットの方はラット君と組んで、冒険者稼業を続けていたそうで、経験を積んでいたそうな。


 姐御もまた、他の冒険者たちの剣術指南などで忙しくしていた。


 俺はと言うと、一日寝て過ごしたり、クラッチの町を探検したり、新しい店を探したりしながら過ごしていた。


 だが、何か体が運動を求めている様で、結果、自己鍛錬に励んでいた。


 まあ、俺も大概だな。貧乏暇なしってやつか。やれやれ、体を動かして暇を持て余していた。


 そしてお昼時、お腹のむしがグ~っと鳴った。


 「腹が減った、いつもの女将さんの店に行こう。」


 足しげく通っている女将さんの店は、旨い飯を安く、たらふく食えるので、俺には重宝している。


 女将さんの店先へと向かい、到着と同時にのれんを潜り、引き戸を開け店の中へ入る。


 「いらっしゃいませ~。」


 うむ、いつもの女将さんの元気な声で出迎えてもらった。


 「女将さん、こんにちは。」


 「おや? また来たのかい。今日は何にするんだい?」


 ふーむ、今日はどうしようかな、昼飯時だからなのか、常連客以外にも、お客さんが入っている。


 簡単なモノでもいいが、ここはガッツリ肉料理が食いたい。


 「女将さん、肉が食べたい。」


 「肉かい? 今日は豚肉がいいよ、生姜焼きなんてどうだい?」


 「お! いいな、生姜焼き。それ頂戴。あとご飯も。」


 「あいよ、ちょっと待ってな、すぐ出来るからね。」


 腹が減った、生姜焼きならば問題無い。腹が膨れるだろう。


 テーブルカウンターの席に座り、出されたお水を一口。


 そういやあ、経験点が溜っていたっけなと思い出した、ここらで一丁レベルアップでもしとくか。


 ステータスチェック、うむ、経験点が4200点溜っていた。


 レベルを二つ上げられそうだ、一レベル上げるのに必要な経験点は2000点だ。


 よしよし、レベルが36に上がった。HPも108まで上がったぞ。


 さて、お次はスキルだな。何か有用なスキルを習得しよう。何がいいかな。


 ふーむ、スキルポイントは96ポイントある、ここは一つ、上級スキルを習得するか。


 まずはこれ、ハイストレングス。ノーマルスキルに比べてハイクラスなスキルだ。


 性能も段違い、勿論、消費ポイントも高いが、効果は期待できる。


 よし、ここは一つ、「ハイストレングス」、「ハイタフネス」、「ハイスピード」の前衛向きスキルを習得するか。


 上級スキルはLV1上げるのに3ポイント消費する。上限はLV5までだ。


 うーむ、そうだな、それぞれのスキルをレベル3まで上げるか。消費ポイントは54ポイントだ。


 うむ、よしよし、上級スキルの三つをLV3まで上げたぞ。


 これで、残りのスキルポイントは42だ。これは今後の為に取っておこう。


 こんなもんかな、確認してみよう。ステータスチェック。



  ジャズ LV36 HP108

  職業 忍者

  クラス 超忍


  筋力 350  体力 300  敏捷 360

  器用 290  魔力 130  幸運 270


  ユニークスキル

  ・メニューコマンド

  ・精神コマンド  10/10(必中 不屈 熱血 気合 魂 大激怒)

  ・エース  


  スキル

  ・ストレングスLV5 (フルパワーコンタクト)

  ・タフネスLV5

  ・スピードLV5

  ・投擲

  ・剣術LV5 (ブレイジングロード)

  ・身体能力極強化

  ・全属性耐性LV5

  ・見切り

  ・インファイトLV5

  ・指揮官

  ・闘争心LV5

  ・限界突破

  ・気力限界突破

  ・コンボ+1

  ・ダッシュ

  ・病気耐性

  ・ハイストレングスLV3

  ・ハイタフネスLV3

  ・ハイスピードLV3



  経験点200点 ショップポイント7400 スキルポイント42


  武器熟練度

  小剣 310  剣 390  槍 35



 うむ、こんなもんか。中々見れるステータスになってきたな、いや、まだまだか。


 しかし、レベル36ともなると、もう殆どのモンスターと渡り歩けるんじゃなかろうか。


 HPも108まで上がったし、打たれ強くなった事は確かだ。


 ハイストレングスは筋力に影響するし、ハイタフネスは体力に影響する。ハイスピードは敏捷。


 これでかなり動けるようになったと思う、うむ、忍者として活躍できる様になるといいな。


 こんなもんか、よーし、レベルアップも済んだ。後は飯だな。


 しばらく待っていると、女将さんが料理を運んで来た。


 「はいよ、お待ち。」


 「お、来た来た。うーん、旨そうな匂いだ。」


 うむ、生姜焼き独特の食欲をそそる、いい匂いだ。早速箸を持って料理に取り掛かる。


 まずはご飯、うーん、ふっくらモチモチ、炊き立てだ。美味い。


 お次は肉、生姜焼きだ、一切れを箸で摘み、口の中へ放り込む。


 熱々の生姜焼きは正に絶品、旨い。食欲をそそる。いい味だ。ご飯が進む。


 「うーん、旨い! ご飯何杯でもいける。」


 「ゆっくり食べなよ。慌てなくても無くなりゃしないよ。」


 「解ってるけど、箸が止まらないんだよ。美味い。」


あっという間に生姜焼きは完食。


 ご馳走様をして、両手を合わせる。うむ、旨かった。


 お冷の水を飲み、人心地付く。あ~~、腹いっぱいだ。また食べたくなるな。


 「女将さん、ご馳走様。また来るよ。」


お金を支払い、引き戸を開けて外へ出る。


 「ありがとうございました~。」と言う女将さんの声を背に受け、のれんを潜り店を出る。


さてと、これからどうしようかな。


 冒険者ギルドへ顔を出しに行くか、やる事も無いし。

  

 その前に、食後の休憩をしたいところだな、噴水広場でも行ってみますか。


 俺は満腹になったお腹を擦りつつ、町中を歩き出した。










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