第144話 レベルアップと隠しクラスと

ゴップ王国での経験を得て、ジャズはアリシアの英雄の称号を与えられたのでした。

さて、その後に待っていたのは、長期休暇でした。コジマ司令からの労いを受け、ジャズは休暇を満喫できるのでしょうか。

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 俺は今、コジマ司令の前で報告している。


先のゴップ王国内での極秘任務の件で、色々と偉い人に言わなければならない事があるからだ。


戦争終結、ゴップ王の凶行、王都崩壊、ゴップ王の妾、シーマが悪魔だった事。


そして、混沌の王カオス復活の兆し。


こうして推挙していくと、どうにも現実味に欠ける事柄ばかりだが、事実だから仕方が無い。


「………………以上が、自分が経験した事であります。」


報告を終えると、コジマ司令はパイプに火を付け、煙をくゆらす。


「うーむ、君からの報告はどれも重要な案件ばかりだね。」


「仕方なく事に対処した次第でありますので、自分のせいではありません。」


「はっはっは、解っているよ、それにしても、ジャズ君。君は少々働きすぎではないかね?」


「は、自分でもそう思います。自分がやるべきだと思った事をやっているだけなのですがね。」


「何とも、損な性格をしているね、君は。だが、それでアリシアとゴップとの全面戦争は回避できた訳だからね、ジャズ君。君に三週間の長期休暇を与える。」


な、なんと。三週間の休暇が貰えるのか。やったね。


「ありがとうございます、コジマ司令。」


「うむ、ゆっくりしてきたまえ。」


三週間の長期休暇か、何しようかな。旨いモンいっぱい食って、観光にでも行こうかな。


「そう言えば、第三軍のバルク将軍が、君の事を高く評価していたよ。うちに欲しい人材だと言っていた。どうかね? 引き抜かれてみるのも一興だよ。特に君の場合は軍内での活躍が目覚ましいからね。」


ふーむ、引き抜きか、正直俺はこのクラッチの町が気に入っている。


今更他の所へは行きたくないな。ここは正直にお断りしよう。


「は、いえ、自分はこのクラッチ駐屯地に居るのが気が楽であります。そのお話は辞退致します。」


「ふふふ、解った。バルク将軍にはその様に手紙を書いておく。」


「は! お手数をお掛けします。では、自分はこれで失礼致します。」


コジマ司令の前で敬礼し、司令官室を後にする。


 食堂に来て、お茶を一杯頂く。う~ん、この熱いお茶がまた何とも言えない風情があって、心に染みる。


お茶を飲みつつ、まったりと過ごす。


そう言えば、経験点が溜っていたんだっけな。よーし、ここらで一丁レベルアップでもしとくか。


確か、キャンペーンシナリオをクリアしたんだったな、大量の経験点がある筈だ。


ステータス確認。よしよし、経験点が16200点もあるぞ。一気にレベルアップだ。


よしよし、LV22から12000の経験点を使って、一気に上限の30まで上がったぞ。


上級職では、レベルの上限は30までと決まっている。


{これ以上レベルは上がりません}


やはり、これ以上レベルは上がらないみたいだ。


本来ならばだが、実はあるのだ。更なるレベルアップの方法が、裏技というか、隠し要素なのだが。


転職用アイテムである、「戦士の証」を使えば、隠しクラスへとクラスチェンジ出来るのだ。


よし、早速ショップコマンドを開いて、お目当ての戦士の証を購入。ショップポイント1000ポイントだった。


すかさずアイテムボックスから、戦士の証を取り出す。うむ、いいアイテムだ。気品がある。


そして、「戦士の証」を使用する。すると俺の体が一瞬ピカリと輝く。


(不味い! 目立ったか?)


周りを見ると、どうやら皆俺の事を見ていなかったらしい、ほっ、よかった。


どうもいかんな、人の居る所でレベルアップはしない方がいいな。こりゃ。


さて、これで俺は忍者の上級職である「マスター忍者」から、隠しクラスの「超忍」へとクラスアップした筈だ。


よしよし、「超忍」になってる。これでレベルの上限はプラス10される筈だ。


つまり、レベル40まで上げられるという事だな。よし、早速残りの経験点4200点を使ってレベル上げだ。


隠しクラスの場合、一つレベルを上げるのに、経験点が2000点必要になる。


二つレベルが上げられそうだな、よし、上がった。これで俺のレベルは32だ。


HPも94になったし、かなり打たれ強くなったな。うむ。


………あ!! 能力値の上限が255で止まってる。カウンターストップが掛かった。


よーしそれなら! スキル「限界突破」を習得しよう。


これは能力値の上限が無くなるスキルだ。よし、習得した。これで各能力値は上限が無くなったぞ。


超級スキルの為、スキルポイントが20ポイント必要だったが、問題無い。


レベルが一気に上がり、今のスキルポイントは298ポイントもあるのだ。ここから20ポイント使ったとしても、残り278ポイントある。


ふふふ、さーて、どんなスキルを取ろうかな。ここはやはり、闘争心のスキルレベルを5まで上げるか。


よし、「闘争心」のスキルレベルが5の上限になったぞ。これでいつでも気力が25の状態でいける。


残り188ポイント、まだまだあるよ。次は「気力限界突破」だな。


普通、気力は50までしか上がらない。だが、このスキルがあれば、気力の上限が70まで上がる。


気力の数値は直接戦闘に影響するので、多い方がいいのは確かだ。


これも超級スキルの為、必要なポイントは高い。20ポイント使った。残り168ポイント。


うーむ、そろそろコンボ系のスキルを取るか。必要となるポイントは物凄く高いが、「コンボ攻撃」効果があるスキルの為、一回の武器攻撃でダメージが二度入る、超強力なスキルだ。


はっきり言って、ラスボス戦用のスキルと言っても過言ではない。


だが、100ポイントも使うのだ。慎重に考えなくては勿体ない。


しかし、これからの事を考えると、どうしてもこの「コンボ」のスキルが必要になってくる。


超強力なスキルだけに、一粒で二度おいしいスキルだ。


うーむ、どうしようかな。習得した方がいいのは解っているけど、100ポイントなんだよな。


ええ~~い! ままよ! 「コンボ」を取ろう。100ポイントだ!


うむ、よし、「コンボ」のスキルを習得した。これで実質的に与ダメージ二回分の効果がある。


つまり、与ダメージ二倍。いや、ツーヒットコンボなので、コンボ効果で更にダメージは高い。


うーむ、よくよく考えると、そう悪いスキルでもないな。いや、むしろ今取っておかないとならないだろう。


これで、残りのポイントは68ポイント。これは今後の為に取っておこう。


こんなもんかな。ステータスを見てみよう。



 ジャズ LV32 HP94

 職業 忍者

 クラス 超忍


 筋力 270  体力 260  敏捷 270

 器用 240  魔力 100  幸運 200


 ユニークスキル

 ・メニューコマンド

 ・精神コマンド 10/10 (必中 不屈 熱血 気合 魂 大激怒)

 ・エース


 スキル

 ・ストレングスLV5 (フルパワーコンタクト)

 ・タフネスLV5

 ・スピードLV5

 ・投擲

 ・剣術LV5 (ブレイジングロード)

 ・身体能力極強化

 ・全属性耐性LV5

 ・見切り

 ・インファイトLV5

 ・指揮官

 ・闘争心LV5

 ・限界突破

 ・気力限界突破

 ・コンボ+1


 経験点200点  ショップポイント7400  スキルポイント68


 武器熟練度

 小剣 270  剣 330  槍 35



 うむ、こんな感じになった。中々見れるステータスになってきたじゃないか。うむうむ。


あ、精神コマンドの使用回数が10回に増えたな、そして、遂に最後の精神コマンド「大激怒」が使える様になった。


これは、敵全体にダメージを与えるという、ほぼ反則じみた効果があるコマンドだ。


まさに、切り札。とっておき、ジョーカー。


そうか、これが使える様になったか。何だか感慨深いな。使いどころを間違えない様にしなくては。


いよいよ俺のステータスも、中々のモノになってきたじゃないか。見れるな。うむ。


いや、慢心は良くないよな。気を引き締めて、事に対処していこう。


「それにしても、三週間の長期休暇か。どうしようかな?」


ふーむ、マジでどうしよう。何も考え付かない。


まあ、あれだ。折角のお休みだ。ここは一つ、冒険者ギルドへでも行ってみようかな。


何か楽な依頼をこなして、時間を潰せばいいや。寝床は兵舎にあるし。飯は女将さんの所に行けばいいし。


さーて、それじゃあ早速、休暇を満喫しようか。おっと、その前にお茶を飲もう。














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