元号の話。
「あと1時間で平成も終わりだなぁ」
「あぁ」
相変わらず谷町は素っ気ない。ロマンチストなくせにこういうのには興味ないんだからさ。
「なぁ〜平成の終わりくらい甘えてくれたっていいだろぉ!」
「…だってさぁあんまり変わる感じしねぇんだもん」
テレビから目を逸らすことなく谷町は続ける。
「俺ら昭和も平成も一緒だっただろ?どーせ令和も一緒にいるんだし全然実感湧かねぇよ」
「谷町…」
「ていうか令和なったら俺ら元号3つ分一緒にいることになるな!」
「たにまちぃ!」
「うわっ!」
まさか予想の斜め上を行くデレが平成最後に見れるとは思わなかった。
嬉しさのあまり抱きつくと谷町は一瞬逃げようとしたが俺の肉厚ボディに脱出を諦める。
「新しい元号でもよろしくな…俺の愛しい恋人ちゃん♡」
「気持ちわりぃよ」
谷町はいつもの呆れ顔を見せながらそう言った。
(暗転)
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