(14)彩りな粉モノ食品


 粉モノ食品。

 たこ焼きが好きです。

「銀だこ」さん、はやくタコの完全養殖技術を完成させて下さい。

 ……じゃなくて。

 野菜を粉末化して保存しよう、という妄想。かっこよく言えばフードロス問題。


 野菜作りで、露地栽培でも植物工場でも、規格外や売れ残りの農作物が発生する。

「規格外」に関しては文句も愚痴も山ほどあるが、脇に置いといて、流通に乗らない野菜を加工して、漬物や下処理した食材として売る手もある。

 それでも販売店ですら売れ残りがあったりするワケで、例えば販売先から一定期間過ぎた食材を回収するシステムを構築して、さてそれらをドウしよう?

 漬物にしたり、冷凍保存したり、ドライフードにしたり。

 それぞれに美味しい食べ方が色々豊富にあるが、結局「賞味期限」という高く険しい壁がそそり立つ。

 まぁ、野菜をドライフードから粉化しても同じ問題が絡むとは思うけど、少なくとも保存にかかる労力と体積の減少の役には立つかもしれない。


 粉化したドライフードの元祖は粉ミルクだと思うが、野菜を粉化しようという試みの最初は、千早丸的には八尋産業株式会社の減圧平衡乾燥法だと思う。

(06)で海水から淡水をとる方法の1つに減圧沸騰がある、と書いたが、同じように減圧平衡乾燥法は、乾燥庫内を減圧過熱(40~50度の低温)し、組織を壊さずに乾燥させることが出来る。

 これをさらに粉化して、保存を安易にする。


 商品化は、例えば。

 粉末野菜と粉ミルク、それぞれ少量のお湯で煮るだけで離乳食、とか。

 ふりかけに粉末野菜モリモリで、子供の野菜嫌い克服アイテム、とか。

 麺を粉末野菜ごとに作り、夏バテしても野菜不足にならない素麺セットとか、偏食にならないラーメンとか。

 ちょい古いが、NY発のレインボーベーグルの粉末野菜バージョン、とか。

 お好み焼きの生地にもう十数種類の野菜が入ってるとか、色合いが美しくないならいっそ竹炭粉も入れてデトックス効果狙っちゃうとか。

 かぼちゃとかほうれん草とかニンジンとかゴボウとかの粉末野菜に、いま流行りのセルロースナノファイバー入れて「腹持ちよくデトックス効果のあるカップケーキのもと」とか。

 脱線で、セルロースナノファイバーをソフトクリームに入れて「溶けにくく崩れにくいソフトクリーム」とか、ついでに(10)で騒いでいた希少糖も入れて「太らない(太りにくい)ソフトクリーム」とか。

 セルロースナノファイバー? ググって下さい(←笑顔で手抜き)


 まぁ大雑把に言えば、セルロースナノファイバーは樹木などを鉄筋バリに支えている成分で、これらを取り出す技術が確立し、いま色々と応用商品が出てきてる。

 植物だから食べられるし、プラスチック状にもなるし、また逆にプラスチックに混ぜると透明化し耐熱強化ガラス並みで、次世代のTVやPCやスマホなどのタッチパネルとしても期待されてる。

 スマホを食う時代。面白そう(違)


 ドライフードの野菜はせっかく熱をかけずに成分が保持されているのだから、粉化する時点でも熱をかけず、昔の水車風についた方がイイのか、抹茶のように石臼で挽いた方がイイのか。

 わかんない(←無知)


 個人的には、粉化したジャガイモ・ニンジン・タマネギ・キノコ類、カレールー、んでアルファ米のキューブ状のセット(1キューブ1人分)で、水で煮たらドロドロカレーの出来上がり、なんてのが欲しい。

 カレーはナニ入れてもカレーだから、嫌いな野菜の粉末入れて慣らしていく、とか。

 肉も粉末になるのかな? ジャーキーとかあるから可能な気もするが。

 アルファ米は炊いた米を乾燥させた、古くは江戸時代、戦国時代からの保存食。最近では水からでもオニギリになる保存食など、保存技術が向上している。


 彩り豊かな粉モノ食品だー! と素直に喜んでいたんですが。

 気になったのはベースになる小麦粉と米粉の、アレルギー。

 どちらも原因は(種類は違うが)たんぱく質。

 最近はアレルゲンのたんぱく質を含まない麦とか、同じ米でもアレルギーになりにくいたんぱく質の米があるとか、また小麦粉ではなくとも米ゲルと米粉で小麦粉のようにパンやうどんを作れる、とも聞く。

 三大アレルギーは麦の他に牛乳と卵、らしいが、飼料で大量に穀類を摂取するからなのか、そこらは不勉強でわからん。

 アレルギーの原因は、今のところたんぱく質と作物の残留農薬だと言われており、植物工場で極力農薬を減らした生産が出来たらいいな。




築地 銀だこ(株式会社ホットランド)

https://www.gindaco.com/


株式会社ホットランド:未来への挑戦(マダコ養殖)

https://www.hotland.co.jp/recruit/future/


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