(12)緑の海
世間はSDGs(
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標。
大雑把に言えば「生活改善」と「差別撤廃」、んで地球温暖感化防止に伴なう「クリーンな社会の実現」と「世界平和」となる。
5年経って今更かよ。
しかも海外が騒ぎ出してからかよ。
と思う(←毒舌)
地球温暖化に関しては「京都議定書」があったのに、四半世紀も放っておいたしね。
京都議定書は、1997年に温暖化防止のための国際会議(気候変動枠組条約締約国会議)で取り決められた世界で初めての国際協定。
文字通り京都で、日本で行われた国際会議なので国内の注目度は高かった。
しかし、今に至るまで「絵に描いた餅」であり、しかも倉庫奥にしまい込んで忘れ去られた駄作と化している。
日本人気質、「熱しやすく冷めやすい」と「腰が重い」のダブルコンボ。
ただSDGsは学生の10代巻き込んだ活動になっているので、そこはいいと思う。
多分にスウェーデンの環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさんが有名で、子供のころから問題提起し考え続ける、という方針なのだろう。
最初は知識不足で即物的な考えばかりでも、五年十年考え続ければ、どこか意識の端に引っかかっているだけでもいいが、もっと練り上げたモノが出てくる。
考える、というのは、大切なことだ。
私は何も考えてないが。
ええと、事実は脇に置いて。
海の温度を下げ、その後に起きる(二酸化炭素の吸収過多による)海の酸化を予防する方法。
ぶっちゃけ、わからん。
大気中の二酸化炭素の回収方法なら最近は盛んだ。
二酸化炭素を吸着させるシートだったり溶液だったり。
シートで実績があるのはカナダのカーボン・エンジニアリング社。シートに吸着した二酸化炭素は過熱により分離するらしい。
日本では溶液、公益財団法人の地球環境産業技術研究機構とかが中心で「二酸化炭素の吸収液」というものが開発された。
アミン水溶液だったかな? こっちは空気を溶液にくぐらせると二酸化炭素が溶液に溶け、60℃程度過熱すると二酸化炭素が気体化して分離されるとか。
どっちもどっちで使いようですかね。
個人的に、溶液くぐらせる日本式の方が、空気中のチリや花粉などのゴミも落とし、溶液の温度管理すれば一定気温の吸気になりそうな気もする。
建物などの施設内へ吸気する場合には有効そう。元ネタはジオパワーシステム。
大気中から分離した二酸化炭素をどうするか、で方針は様々ある。
地中深くに埋めようとかが叫ばれているが、適した埋設場所は限られるし、労力とエネルギーが大量にかかる割に儲けがない。
日本のNEDOや資源エネルギー庁等は「カーボンリサイクル」として、二酸化炭素と水素を反応させてプラスチック原料や燃料等へ変換しよう、という試みをしている。少なくとも実験としては成功しているので、後はどう実働させるか、の試行だろう。
この方法だと二酸化炭素より水素をどう手に入れるか、がネックですかね。
一般的に水素を大量に生産するのは化石燃料を使うが、時勢的に得策ではない。
そうすると水を電気分解させるか、日本技術なら光触媒を使うか、水プラズマでゴミや不要物を電子分解しつつか。
光触媒が効率よくなるといいですねぇ。
二酸化炭素を消費、だけなら株式会社ユーグレナのミドリムシとか。酸性度の高い二酸化炭素を多く溶かした水でも(雑菌は繁殖できないのに)ミドリムシを栽培(?)し、二酸化炭素を大量消費し酸素を生産でき、燃料にもなるオイルがとれ、食糧ともなる。
大量消費に結びつくかは知らんが、植物工場でも植物へ二酸化炭素多めの吸気をした方が成長につながるでしょう。
んで、肝心の海中の二酸化炭素をどうするか。
今のところ、水中へ二酸化炭素を溶け込ます技術は豊富だが、水中から二酸化炭素を取り出す技術はあまりない。千早丸が知らんだけかもしれんが。
故に簡単に思いつくのは植物プランクトンを大量生産し、海へバラ撒くこと。
植物プランクトンの育成は油藻栽培の技術を応用できそうだし、外洋で餌の少ない海域なら魚介のいい餌になるだろう。
最近のニュースで稚貝の餌になる珪藻も見つかったそうだし、養殖への活用とかも面白そうではある。
が。
植物フランクトン増加が、必ず水中の二酸化炭素減少につながるか、は別問題である。
極端な植物プランクトンの増加は生態系を崩すだろうし、赤潮・青潮の原因となりヘドロ化する可能性もある。
また植物プランクトン増加は動物プランクトンを繁殖させ、それらを餌とする魚介も増加する。結果としては植物が消費する二酸化炭素より、あつまる動物によって生産される二酸化炭素の方が多くなるのでは?
ここら辺は要研究なんでしょう。
まぁ、海の二酸化炭素吸収過多から酸化現象は、まだ心配するほどじゃない?
海は大量の二酸化炭素を吸収してくれるが、時に二酸化炭素を放出することもある。
気象庁「海洋による二酸化炭素の吸収・放出の分布」という頁に詳しく載っているが、海へ吸収された二酸化炭素は、大気中の二酸化炭素濃度によっては放出される。
このやり取りは赤道などの熱帯地域で盛んだが、日本近海のような亜熱帯域でも夏場に放出されるそう。
つまり大気中の二酸化炭素をどんどん削減すれば、海も二酸化炭素を放出し、危惧するような「海の酸化」は起きないのかも。
かも、の世界ですが。
関係ないが、ユーグレナオイルや通常の植物油から水素って作れるんですかね?
ユーグレナオイルって軽油に近い成分だし、触媒次第なのか、と愚考。
それにユーグレナは海藻のASC認証をとった。
ASC認証は「環境と社会に配慮した責任ある養殖方法で生産された水産物を対象とする国際認証制度」だそうだ。よく知らん(←無責任)
海水での海藻生産、つまり海水の二酸化炭素消費に期待大。
また藻から水素、という発想で、理化学研究所が「水素を発生させる藻」ラン藻の研究している。
ラン藻は古来に光合成を最初に始めたとされるシアノバクテリア (藍色細菌)で、条件次第では水素も作るそうな。
ラン藻も海藻であり、海中の二酸化炭素を消費し、酸素や水素を作り出す。
シアノバクテリアは古代の地球で、二酸化炭素優勢を酸素の世界へ変貌させた主犯。
また地球が全休凍結したような氷河期の後、一気に温暖化した海は植物フランクトンによって緑に染まり、現在の大気成分・酸素20%の世界になった。
かつて恐竜が闊歩した時代は酸素成分が30%で、多くの動植物が大型化した。
海へ植物プランクトンを大量放出して、大気成分の30%が酸素にできたら。
いったいどんな世界になるのだろう?
公益財団法人 地球環境産業技術研究機構
https://www.rite.or.jp/
株式会社ジオパワーシステム
https://www.geo-power.co.jp/
NEDO 国立研究開発法人 新エネルギー産業技術総合開発機構
https://www.nedo.go.jp/
国土交通省 気象庁(海洋による二酸化炭素の吸収・放出の分布)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/mar_env/knowledge/global_co2_flux/global_co2_flux_map.html
(株)ユーグレナ ASC-MSC海藻(藻類)認証を取得
https://www.euglena.jp/news/20190123-2/
国立研究開発法人 理化学研究所
https://www.riken.jp/
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