(04)いざ農業
食料自給率4割り以下の日本、海外からの食糧輸入ができなくなった場合、芋の配給制になるそうな。
世界規模のコロナ禍にある昨今、農業の担い手が激減し、または物流が崩壊して、食糧などが輸入できなくなったらどうなるのか?
その時「政府は何もしてくれない!」と叫び散らかすだけ?
自給率が4割りなのも、コロナ禍で全世界規模の混乱が起きていることも、とっくの昔に報道されていて周智なのに、自分が考えない未来を政府だけは考えろ、と?
本気で?
――と、辛口はしまっておいて。
まぁ衣食住は大切だよね、特に「食」は。
日本に限った話をすると、近年の天候不順で不作が続いている、という報道の元に物価が上がったまま下がってこない。かつ世界も天候不順と昨今事情の物流の低下により、生活物資全般の値上げ。
個人的な偏見は、物資が大国に流れて日本へ回り辛くなったせいだと思うが、似たコトは日本も他国に対してヤッてるし。
WWF(世界自然保護基金)が「エコロジカル・フットプリント」という指針を出しているのだが、ザッパに端折ると、全人類が日本人と同じ食生活をすると地球が2.8個必要になる、という結果が出ている。
地球上で耕作可能地域はある程度限られている。全人類(約77億人)が生きるに足る食糧は(理論的に)確保できる耕作面積はまだある。しかし日本人(約1.3億人)の生活水準で食糧確保しようとしたら、地球が2.8個必要になる。
でも日本の自給率は4割り。
どーゆーこと?
簡単な話だ。他国の利潤を、日本が蹂躙している。
もちろん正当な対価払っている。しかし他国の利潤を吸い取って、日本が肥えている図式は変わり様がない。
これを経済的な侵略、新たな植民地政策だ、と言われている。
日本にも耕作地はある。
一説には、耕作放棄地や休耕地をフル活用すれば日本の食料自給率も9割りを超える、とも言われている。ただ家畜へ与える飼料とか飼育面積まで考えるとアヤシイが。
加えて昨今の天候不順。100年に1度、とか評される異常気象が毎年ある。下手したら毎月ある。そして気象異常の免罪符で上がった価格は次シーズンになっても下がらない。
単純な逆説で考えるなら、気象変化、もっと言えば日照時間などにも影響を受けない完全な屋内タイプの、さらに欲を言えば多層構造の植物工場が求められている。
しかし実情は、屋内タイプの植物工場では葉物野菜、しかもレタスなども結球しないモノしか作った実績がない。
でもやっぱ、米、食いたいよね?
植物工場(的な?)での穀類の栽培は、世界を見回しても実施例は少ない。
けれど日本でも、千早丸が知っている範囲であるならば、2例、稲作に成功している。
1つは人材派遣会社の(株)パソナ。東京都大手町の自社ビルに屋内水田があり、東京ど真ん中で水稲栽培して、年に3回の収穫が可能とか。他にも野菜や果樹(鉢植え)などの栽培展示をしている。
予約なしでも見学自由だし、予約をちゃんととればガイドがついて説明もしてくれる。
屋内水田で、人口灯による水稲栽培なんて他所では聞いたことがなかったので、かなり以前だが見学に行ったことがあり、屋内水田は苗植えが終わったばかりだったが、実際に収穫した稲を見せてもらえて、感動した。
しかし残念なコトに、稲穂の中身が結実していなかった。
要するに、稲穂はたわわに実っているが、稲穂の中身、米がほとんど入っていない。
理由は、素人の勝手な憶測だが、おそらく受粉がうまく出来ないのだろう。
稲は風媒(花粉を風が運んで受粉を媒介する)で受粉するのだが、水田周辺はカフェになっていて、風がうまく回らないのかもしれない。開花時期は人為的に受粉を促す必要があるかもだが、これが結構繊細な作業だったりすので、品種改良ならともかく、大量生産には向かない。
まぁ、年に3回収穫できる、という実施結果は大事だと思う。
もう1つは、千葉県木更津市のJA(農業協同組合。略して農協)が超早期米として開発したブランド米「ゴールドプレミアム ダイヤモンド米物語」。
関係ないが、命名が厨二病(←失礼)
基本はビニールハウスでの水稲で、年に2回収穫できるのだとか。
ただし問題は、1回の収穫量が同じ水田面積に対して半分であり、2回収穫できるので収穫kgは同じだとしても、照明や暖房など光熱費で足が出るため、販売価格は魚沼産の米の18倍になるのだとか。
それでもゴールド米は予約完売となるそうで、不思議な世の中である。
まぁ、モロモロあるにしても、こちらは収穫量半分でも年2回収穫できる。
よって、上記2件で分かるように、屋内水田の水稲栽培において受粉は難しい、というコトになる。
話は変わるが。
植物が受粉して実をつける方法は色々ある。
まぁ「受粉」とは何ぞや、って話を始めると長すぎる(というか千早丸の頭ではムズくてわからん)ので端折るが、短絡すると種子植物の花が咲いて、雄蕊の花粉が雌蕊へ運ばれれば受粉が起き、結実する。
花粉の媒介は多種あって、主には自家受粉、非生物的媒介(風・水など)、動物媒(動物や鳥、虫など。有名処はミツバチ)、等々。
ここでは「米」の受粉媒介に限らせてもらうが、米など穀類の多くは風媒で行われる。よって穀類(イネ科)の花は媒介者として虫などを誘う必要がなく、誘惑する蜜はなく、目立つ意味もないのでとても地味だ。
しかし。
受粉の媒介者として有名なのはミツバチであり、彼等が集める蜂蜜など有名で、実は隠れたもう1つのスーパーフードとして「ビーポーレン(蜂の花粉)」が最近の注目を集めている。
蜂は蜜を集める傍ら、花粉も集めて酵素で固め、自分達の食料としている。
ビーポーレンにはビタミンやミネラル、アミノ酸や酵素など、健康にいいとされる成分が豊富に含まれているそうなのだが、これの花粉を詳しく調べたところ、集めている蜜の花々の花粉ばかりではなく、主な構成はイネ科の花粉だったそうだ。
先にも言ったが、穀類(イネ科)の花は媒介者として虫などを誘う必要がなく、誘惑する蜜はなく、目立つ意味もないのでとても地味だ。
その、蜜を集める必要のないイネ科の花粉が、ビーポーレンの主成分。
つまり、ミツバチは蜜以外にもイネ科の花粉を積極的に集めている。
イネ科の花粉は栄養素が高いのかね?
愚考するに、このミツバチがイネ科の花粉を集める習性を、屋内水田でも利用したい。
屋内水田に蜂の巣箱を置いただけでは飛び回る動機が薄いので、イネ科の米と同時期に開花する蕎麦などを配置してみたらどうだろう。
蕎麦は、まぁ観賞用にはならんが、ミツバチが蜜を集め、積極的に受粉させると実付きがとてもいい。
もちろん、稲だけで花粉を集め回ってくれればアリガタイが。
ミツバチが花粉目的で稲の花にまとわりつけば、花粉がこぼれて、風媒と同じように稲穂へ受粉できるんじゃないか、と願望。
白米飯ばっか夢中で、麦関係を考えてなかったので、片手落ち申し訳ないく。
植物工場で穀類の受粉ができたとしても、問題点はまだまだ山積み。
収穫量や日照、水耕栽培がメインでは構造が重くなりすぎ、肝心の電気や水はどう確保するか。
それらの問題は、まぁ追々。
侵略者のくせに知らぬ顔をする厚顔無恥は晒したくないので、真面目に妄想します。
[備考]
世界自然保護基金(自然保護団体) WWF
https://www.wwf.or.jp/
あなたの街の暮らしは地球何個分? - WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4033.html
株式会社パソナ
https://www.pasona.co.jp/
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