第17話



「そういえばさ、この間のアフタヌーンみたよ!!!びっくりしちゃった!早速共演しちゃって〜!!」


「そうなんだよねえ...!私もびっくりだったんだから!!心臓が飛び出るかと思ったよ」


「もしかして知らなかったの?」


「そうなの(笑)まぁ、マネージャーさんも知ってたらその他の仕事に支障が出ると思ってって、気を使ってくれた結果のことなんだけどね」


「確かに(笑)どうしたってその事考えちゃうもんね〜!で、生蒼人くんはどうだったの!?」


にやにやしながら自分の事のように嬉しそうな鈴風をみていると、本当にいい友達を持ったなとしみじみ思う。


「めちゃくちゃ格好良かったし、可愛かったよ〜〜!」


「あんまり多くは聞かないけど、本当によかったね!」


「緊張しすぎてほんとどうにかなっちゃうかと思ったけど、一緒にお仕事出来て本当によかったなって思うよ!」




話したいことはまだまだたくさんあったが、「時代に追いつきたい!」の放送時間が迫っていることもあり、

ご飯を食べ終えて、軽く片付けを済ませ、テレビを楽しむための準備を行った。


買ってきてくれたトゥンカロンをお皿に並べ、お茶の支度を済ませると、

ゆっくりしていた鈴風がカバンの中から何やら取り出した。


彼女の手に握られていたのは、優雨くんのブロマイドだ。

可愛くデコレーションされたケースに入れられており、元から可愛い優雨くんがさ更に可愛らしく見える。


「え!なにそれ!かわいい~!!」


「最近ブロマイドとか、トレカのケースをデコって持ち歩いてる人多いんだよ~!

私はラインストーンとパールでキラキラにするのが好きだけど、メンバーカラーのシールで作ったり、レース付けたり、いろんなデコり方があって楽しいよ~!」


「そうなんだ!いいね!!わたしも作ってみようかな~?」


「そんな忙しいあなたに、鈴風ちゃんからプレゼントです~!」


その言葉にもしかして…と思わずにはいられなかった。


「じゃじゃーん!わたしとお揃いで作っちゃいました!


「え!?もらっちゃっていいの…?」


「もちろん!私とお揃いでもよければね?」


「最高!!鈴風!!ありがとう!!」


「どういたしまして~!こんなのでよければまた作ってあげるよ~!あ!本愛チケット取れたら、推しカラーで作ってあげる!!」


「やったー!!嬉しい!!でも本当にタダでもらっちゃっていいの…?」


「もちろん!今日の夜ごはんと宿代にもならないんだからね!」



早速もらったケースに蒼人くんのブロマイドを入れた。


「か、かわいい~!」


こちらもいつも可愛い蒼人くんが更に可愛らしくなった。


「この可愛いブロマイドとトゥンカロンを一緒に写真撮ったら…?」


「それはもう可愛すぎる!!」


「撮った写真SNSにアップしてもいい?」


「あ、一応確認してもいいかな?」


鈴風の撮った写真には、私のもの私も写っていない。


私の部屋はSNSやメディアに上がったことはないから大丈夫…と。


「うん、大丈夫!私にもその写真送ってほしい!」


「おっけー!」



番組が始まる時間となり、私たちは静かにテレビを見つめた。



《この番組は、今をときめく2.5次元俳優、伊原雅紀と紀田蒼人が最近流行っているもの、

食べ物、スポットを探したり体験したり、食べたり…。そういうふわっとした番組です(笑)

ナレーションは廣瀬圭斗がお送りします〜!本日は僕もゲストで参加しちゃいますよ〜!》



『さて今日はゲストをお呼びしてますのでね!』


『まさかのゲストだね?』


《確かに...まさか今声が聞こえている人物がこれから現れるだなんて、誰も思わないですよね~》


『早速呼びますか!ゲストの廣野圭斗くんです!!』


『こんにちは~!廣野圭斗です~!今日はよろしくお願いします!!』


『はい、では揃ったところで…今日はなにするんですかね?』


『前回気になっていた残りの二つ、グランピングとトゥンカロンを体験できるそうです!』


『トゥンカロン…楽しみだなぁ…』


『圭斗はグランピングとトゥンカロン分かる?』


『いや~~、グランピングはなんか聞いたことありますけど、実際どんなものなのか説明できるか、っていったらできないっすね』


『じゃ、移動しますか!』


《三人で仲良くグランピングができる場所に移動!楽しみですね!!》



『お!!すごい!!なにこれ!?』


『ドーム?だね。この中で寝れるのかな?』


『中入りましょ~!』


《いろんなグランピング施設がありますが、今回はおしゃれな外観で女性からの人気も高いドームテント!

いや~!素敵ですね~!たくさん並んでいるのは綺麗でもあり、可愛くも見えますね〜!》


ガチャッ


『うおーーー!!!!』


『すごーい!!』


『やばっ』



《中はベットが4台とソファー、机にはコーヒーの準備もあるみたいですねぇ!広い〜!さ、早くカーテン開けてみて下さい〜!》


『あけるよ?せーのっ!』


『わ〜!綺麗な景色〜!』


『あ、そこのテラスでBBQできるんだね』


『夜になったら夜景が室内から見れるなんて素敵ですね〜!』



《わくわくが止まらない3人!BBQまでにまだ時間があるので、まったりコーヒータイム...と思いきや》



『え?ゲーム用意してくださったんですか?』


『このゲームで負けた人はバツゲームがあります』


『え〜!それやる必要ありますか〜?』


『トゥンカロン用意しましたので、こちら食べていただきながらという事で』


『やります』


『蒼人のやる気の変化(笑)』



《では僕がトゥンカロンをご紹介〜!「トゥンカロン」とは、フランス発祥のマカロンが韓国でさらなる進化を遂げたもので、別名韓国マカロンとも呼ばれています。一般的なマカロンよりサイズが大きく、間にたっぷりとクリームやガナッシュが挟まれているそうです!ちなみに韓国語で「太った」って意味の言葉がトゥンカロンの語源みたいです〜!》



『これがトゥンカロン...美味しそ』


『可愛い〜!ボリュームもあって美味しそうですね』


『色んな色や見た目があるんだな!』


『ゲームの前にひとつ食べても...?』


『どうぞ〜♪』


『じゃあ俺はこれにする』


『あ、僕これにします〜!』


『俺はこれにするかな、じゃ、いただきます〜』



《どうですかどうですか〜?》


『美味しい!クリームたっぷり!』


『美味しい〜!1個でも結構満足感ありますね〜!』


『うんうん、見た目も楽しめるな!』






そんなテレビの中の彼らに癒されながら、私たちもトゥンカロンを食べて幸せになりながら見ていた。








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