第20話青梅市民センターの桜

⑳ 青梅市民センターの桜


 平成二十五年四月一日


 青梅の梅岩寺の枝垂れ桜をスケッチした帰りに


少し近くを散歩してみるとすぐ隣にあった。


桜の樹が見える。


中に入って眺めるといい形をしている。


背は低くて幹もそんなに太いという訳ではないが


私好みの形をしている。


どういうのが好きなの・・・と聞かれても返答に困るが


対面してみなければわからない。


お見合いと同じだ。


色々な条件をグダグダと並べ立てても


会った一瞬で決まることもある。


そういう時は色々な条件はどこかへ消え失せてしまう。


雰囲気である。


雰囲気は言葉に表わせない。


樹の持つオーラと言い換えても良い。


そのオーラが私に描いてと訴え、私は描かせてと答える。


市民センターの利用者は隣の寺に立派な桜があるのに


何でこんな所でスケッチしているのだろうと思っているのかもしれない。


そういう人の目が気になるがもう気にしない事にした。


やりたい事をやる…と決めたのだ。


という訳で一枚スケッチする。


立ち姿の良い役者のようだ。


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