第6話 学問の発展と細分化

メディア論とメディア学の関係に似たものとして、コミュニケーション論とコミュニケーション学があるかもしれないと思ったのだけれど、こちらはさらに複雑な状況になっているみたいだ。

自分の感覚では、メディア論やコミュニケーション論は大学の社会学の授業のタイトルになっている感じで、メディア学やコミュニケーション学は学部の名前になっていてなんとなく新しいものを扱っていると考えた。でも、コミュニケーション学は学問として海外である程度の歴史があるようだ。そして、コミュニケーション学は幅広い分野を扱っていて、メディアの問題も実はここに含まれている。


現代社会は学問がどんどん発展して、専門分野と言われるものがどんどん細かくなっているのだと思う。それに対応して名称がついていっているのかもしれないが、どのように分けるのかを決める人や機関ってないのだろうか。

大学受験で学部学科を選ぶとき、電気工学科と電子工学科の違いなんて高校生にはわからない、と感じていた。大学によっては両方の学科があり、大学によっては片方しかないけれどどちらの内容も扱っているようなところもあると思う。でもこれは、詳しい人にとっては、二つの違いの傾向は示せるものなんじゃないかと思う。この内容はどちらで扱いますか、という問いに、普通はこっちだね、とか、こういう観点だったらこっちでこういう観点だったらこっちかな、とか、きっちり線は引けないにしてもある程度住み分けはできているイメージ。

でも、この内容はメディア論で扱いますか、という問いの答えは分かれることがあるんじゃないだろうか。明らかに該当しないものと、明らかに該当するものの間に、観点によってどちらとも考えられるものだけではなくて、人によって判断が異なるものがあるんじゃないかと思っている。あと、「学際」的な位置づけで他の分野との関わりがいろいろあるところも難しそう。


探究をする立場からは、それがどの学問領域に含まれるのかは大きな問題ではないのかもしれない。学習をする立場として、何を原典として扱うか、みたいな選択が難しい。今は調べれば簡単にいろいろな主張が出てくるけれど、ネットで記事を読みまくっても言っていることが少しずつ異なっていて結局よくわからない、みたいなことがある。

その点、書籍はその一冊の中で矛盾することは書かれていないんだろうな、と思う。問題は、一冊を読み通すのがなかなか骨が折れるのと、よほどのことがなければやはり一冊では足りないことだろうか。あまり好きではないけれど、何時間でわかる、とか、見るだけでわかる図解、とかの本がはやる理由はよくわかる。

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