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しかし、ある日の質問でまたこのウィジャ盤を見る目が変わったのです。
その質問は時子さんによるもので、「白井先生は妊娠をしていますか」という内容であり、これもやはり学校の噂の一つに過ぎないものでした。誰がこの噂を広めたのかもわからないような内容で、何か確証があるものではありませんでしたし、白井先生はまさにこの学校の指針をあらわしたような方で、私たちはウィジャ盤を始める前に、ウィジャ盤の答えはノーに違いないだろうと話していました。まさか、あの素晴らしい白井先生に限ってそんなことはありえないのです。もし答えがイエスなら、白井先生はきっと泥棒なんかも平気でしてしまっているのではないかと話していたほどです。
「白井先生は妊娠をしていますか」という質問への、ウィジャ盤の答えはイエスでした。そして、二日後、白井先生は退職されました。
その知らせを聞いた時、私はなんだか薄気味悪くなりました。まるでウィジャ盤が望んで白井先生を妊娠させたのかと思いました。ああ、ウィジャ盤によってご懐妊された白井先生。単なる怪奇趣味ではすまなくなってきてしまった。きっと時子さんも、千恵子さんもそう思ったに違いありません。
それでも、私たちはまだウィジャ盤遊びを続けたのでした。白井先生がウィジャ盤と直接に関わったわけではないのですし、一度目のウィジャ盤遊びで明らかになっている通り、この重々しく禍々しい板が、これから先のことを全て予言できるわけではないからです。私たち三人はそう話し合ったのです。ただ、質問の内容は、以前よりも次第にもっと確かめることができないようなものになっていき、次第にウィジャ盤遊びよりも、ウィジャ盤遊びの後にする馬鹿馬鹿しいおしゃべりが面白く楽しいものへとなっていきました。
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