6
先週とは違ったうわついた気持ちで、私たちは笑いながら、教室に向かい、机を準備しました。やはり時子さんがウィジャ盤を取り出した時には、少しギョッとしてしまい、教室が緊張感で満たされ、一瞬異様な空気が漂いました。ですが、私たちはすでに一度体験した恐怖でしたので、すぐ元通りになりました。
私たちは手を繋ぎ、目を瞑り、始めるときの儀式を行いました。
時子さんが、だれかそこにいますか。とウィジャ盤に向かい話しかけました。ウィジャ盤がイエスを示したので、質問をすることにしました。
一つ目の質問は私がします。「三人の中では、誰が一番次の試験で良い成績を残せるのでしょうか」ウィジャ盤はゆっくりとアルファベットを示します。シー、エイチ、アイ、イー、ケー、オー。千恵子さんの名前が示されました。私たちの名前をウィジャ盤が知っていることに驚きもしましたが、私は少し可笑しくなって、笑ってしまいそうになりました。やっぱり千恵子さんなのか。この不可思議なウィジャ盤からも、私たちはそう見えているのか。時子さんも、同じことを思っていたようで、すこし目が笑っていました。
次の質問は、「三人の中では、誰が一番最初に結婚をし母になるか」という質問でした。これは、時子さんが行いました。ウィジャ盤は私の名前を示しました。これには皆、驚きました。特に誰だろうかというような話はしていなかったのですが、なんとなく時子さんなのではないかと皆で話していたからです。
最後の質問は、「三人の中では、誰が一番金持ちになるか」という質問で、千恵子さんの名前が示されました。
ウィジャ盤が私たちの名前をはっきりと示しているという奇怪な事態が起きているというのに、私たちはなぜか
そして私たちは、あたたかい夕日が包む廊下で、くだらなくて楽しい話をして別れました。
こういった奇怪な秘密を楽しむ日々がしばらく続きました。結局、一度目の以外は平凡で平穏な学校の噂なんかをウィジャ盤に質問していました。そして、そのほとんどが確かめようのないものか、誰にでもわかりきっていることでした。平和な質問ばかりをしても、楽しかったのは、千恵子さんが
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます