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 思い返すと、千恵子さんや時子さんは、私のことを心配してくれたのかもしれません。ですが、そのとき私は焦りました。三人だけの秘密が壊れてしまう。私が秘密を壊してしまう。私が三人の仲を壊してしまう。私が大切な親友との時間を全て壊してしまう。目の前が真っ暗になったような気さえしてしまいました。

 時子さんと千恵子さんは、私の手を握り、目を瞑りました。二人の姿を見て、きっとウィジャ盤をやめるべきなのだと思い、私も目を瞑りました。ウィジャ盤を終える時のための儀式も、やはり私たち三人なりのものです。

 私たちはまた黙ってウィジャ盤を片付け、机を手早く元の位置に戻しました。この悪事が発覚することを恐れていただけではなく、早く忌々しいウィジャ盤から離れたい気持ちでいたのだと思います。片付けが終わり、廊下へ出ると、時子さんが、またやりたいなと呟きました。その呟きを聞き逃さなかった千恵子さんが、また三人でやろうと私たち二人に話しました。とても忌々しく恐ろしいウィジャ盤でしたが、私も質問できなかったことは悔しかったし、ウィジャ盤が私たちに何か未来の出来事を告げるなどのことがありませんでしたので、私もまたやろうと思い、千恵子さん、時子さんの提案に賛成しました。

 ウィジャ盤は、次週の同じ時間に、同じ場所で行うことになりました。私たちは何を質問するか、大真面目に、楽しく話し合いました。ウィジャ盤への質問の数は三つ。一見すると少ないと感じられるかも数しれませんが、これにはわけがあり、やはりあまり長い時間やると、なんだか罰当たりな気がしてしまうのと、また、先生に見つかってしまう可能性が大きくなるからです。

 次の質問の内容は、「三人の中では、誰が一番次の試験で良い成績を残せるか」というものと、「三人の中では、誰が一番最初に結婚をし母になるか」それから、「三人の中では、誰が一番金持ちになるか」というこの三つになりました。三人で話し合った結果なのですが、せっかくの怪奇趣味だというのに、なんとも素朴な質問になってしまい、私たちは苦笑いました。全く予想していないことが起きたり、何かの逆鱗げきりんにふれてしまうようなことがあると恐ろしいという考えから、私たちはウィジャ盤自体への質問を避け、それならもういっそのこと、当たっても外れてもどちらでもよいような、そんな質問になったのです。

 その日はすぐやってきました。

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