SCP-020-JP-orig 「涼しく快適な環境をお届けしました!」
アイテム番号:SCP-020-JP-orig
オブジェクトクラス:Safe
特別収容プロトコル:SCP-020-JP-orig(以下SCP-020)の建物は、現在は一般人の出入りを封鎖し建物をボランティア団体へ使わせることで一般的な収容には成功しています。また、SCP-019を起動させた場合、周囲へテロなどの適切なカバーストーリーを適用してください。
説明:SCP-020は201■年に発見された、■■県の交通量の多い道に面する■■■小学校にある空調設備です。空調操作パネルや構造に異常な点は見当たりません。
SCP-020の異常は起動させた時に起き、起動して5分後に空調が作動しますがこの際空調からの冷房(SCP-020-A)が空間の温度に関係なく微かに白く見える事以外の異常はなく、人間以外の生命体や無機物に対して異常は確認されていません。
そして、SCP-020-Aには催眠効果がありを5分間吸い続けていると次第に眠気が襲い、抗う意思のない場合は10分以内に眠りに落ちその場から衣服ごと消失します。
消失した人間はSCP-020-Bとされ、どんな条件下で他人と寝ても1人でSCP-020-Cに言語能力以外の記憶を失った状態で出現し通信機器の類は扱えなくなります。
SCP-020-CはSCP-020-Bが寝た時の校内が再現されており、SCP-020-Bは空腹感も排泄も必要なく校外に出れない事以外は不便を感じず、1人でこの世界に疑問を持ち元は別の世界にいた事を認識し[この世界から脱出し元の世界に帰る事]を意識しながら空調設備をつけ自身が出現した場所で再び寝る事がSCP-020-Cからの唯一の脱出方法です。
補遺020-1:発見の経緯
SCP-020の発見は、SCP-020が使用され誰一人いない校内を警備員が発見。SCP-020-Aを毒物と思い通報したことから発見され、数日が経ち警官が戻ってこない事で財団の目に留まり発見に至りました。
空調設備を止めて内部を調査した結果、校長室にあった資料から[如月工務店]との関連性が疑われています。校長は夏休み中に壊れた空調設備の修理費を、経理的な問題から安く済ませようと模索していた時に如月工務店が近づき、簡略化すれば[空調が直し、生徒や教員1人1人が涼しくこの夏休みを学校で過ごせるようお力を貸してほしい]と言った内容の依頼をした結果、内容を曲解しこのSCP-020が作られたと推測されています。
補遺020-2:進展
SCP-020-Cへの調査へ向かった調査隊の数人が、それぞれ別の時期に遺体となって校内に出現しました。
数名はポケット等から紙が見つかっており、その内容からSCP-020-Cでは記憶を失う事、時間がSCP-020-Bが寝た時間で固定されている事、通信機器は扱えず荷物や自身の荷物、図書館の本などで次第にSCP-020-Cに違和感を抱き、記憶を取り戻してからは脱出する方法を模索した事が書かれていたが、最終的に手段を失い一途の希望に賭けて自殺をすることが書いてありました。
そして、これにより当時その場所を使っていたボランティア団体の方に記憶処理を施しました。
補遺020-3
SCP-020に最初に巻き込まれた学生の1人が、かつての進路指導室に出現しました。当時SCP-020-Bが巻き込まれてから約5年が経っていました。
多少の記憶の混乱が見られましたが、説明すればすぐに状況を把握し互いの質問をしようと■■■■博士によるインタビューが行われました。
―――――――――――
■■■■博士:では、互いに質問しあう形式にしようか。まずはそちらからどうぞ。
SCP-020-C:えっと…あなた方は、誰ですか?
■■■■博士:我々はあなた方の救出と原因の調査をしている団体です。
では、あなたの名前を教えていただけますか?
SCP-020-C:あっ、わ、私は、■■です。その、原因とかってわかってるんですか?
■■■■博士:はい。調べた結果空調設備が原因だと…そちらの件を全て話して貰ってもいいでしょうか?
SCP-020-C:えっと…長くなりますが…。
■■■■博士:大丈夫です。
SCP-020-C:では…その、夏休みに入ってすぐで、私は進路活動をしていて。丁度、クーラーが壊れて1週間ぐらいぶりにつく日だったんです。けど、クーラーからは冷たいけど白い空気が流れてきて、大丈夫かなと思っていたら、いつの間にか寝ていたんです。気が付いたら誰もいない学校にいて…適当に過ごすうちに、時間の感覚も忘れてきた頃に、元の自分がしていた習慣とかが…疑問に思って、友達の絵を見て記憶を取り戻して…疑問や打てる手段を全て試して、出ることができました。
■■■■博士:成程…質問をどうぞ。
SCP-020-C:えっと…その、消えてる間はどういう感じになってたんですか?
■■■■博士:…そうですね。寝ている間は、あなたは消失していました。
あなたが長い間あの世界にいたのに病院にすら行っていないのも証拠になるかと。
SCP-020-C:あ、確かに…そうですね。
■■■■博士:では、どのような手段で脱出することができたんですか?
SCP-020-C:えっと…私が寝た時の状況を再現しました。
クーラーが付いた状態で、電気のついた進路室で、同じ場所に同じ姿勢で座って寝ました。
■■■■博士:そうでしたか…ありがとうございます。
SCP-020-C:いえ。あー、じゃあ…他に自分のように巻き込まれた人は教えていただけませんか? 友達がいるかもしれないので…知りたくて。
■■■■博士:…わかりました。資料を持ってくるよう連絡しておきます。
――数秒間連絡する。
SCP-020-C:…ありがとうございます。
■■■■博士:いえ。では、あそこでの生活について細かく教えていただけませんか?
SCP-020-C:? …はい、あそこでは…常に風が無くて青空が見えて、外に出れなくて、ずっとご飯も食べずに…排泄とかもなくて、校内歩き回って、特に図書館を見ていました。気になったことをしたり、そのまま椅子で寝たりしてました。記憶を取り戻してからは校内を走り回ってたので、余り楽しめませんでしたが…。
■■■■博士:ここではしない特別な事などは何もしていませんでしたか?
SCP-020-C:いえ。特に…変わってる部分とかは、素人目にはよくわかりませんでした。怖がりだけど…自分以外の生物がいるのでは、とかも思いませんでしたね。
■■■■博士:成程。
SCP-020-C:では、混乱してる時に知ったんですけど、あれから5年以上経っていて、しかも家族や友人にはもう話をして死んだことにされてると。なら、自分はこの後の対応はどうなるんでしょうか?
■■■■博士:…家族の元へ戻る事を希望するのであれば、記憶処理をして戻します。このままでもいいのであれば、我々の職員として働いてほしいと思っています。
SCP-020-C:あー…はぁ…。重ねて質問しますが、記憶処理やそちらの会社についてを知らないので教えていただけませんか?
――――――――――――――
メモ:この時の会話から、SCP-020-Bは戸籍はこのままにSCP財団で職員として雇用することになり、情報を漏らさないという条件付きでスマホ等の通信機器を使用し家族や友人との連絡を取ってもいいという事になりました。
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