レッドセイバーでの臨時参入

 パーティー「レッドセイバー」はギルドの依頼で東の洞窟ダンジョン攻略を進めているも大量モンスターの前に一進一退している。そんな中で俺の範囲攻撃のスキルの事を聞きつけたリーダーに誘われた。

 本来なら一回限りの参入だが問題なければクエストが終わってもそのまま正式メンバーとして雇ってくれるとの事。


「おぅ、よろしく頼むぜ切り込み隊長さんよ!」

「ホント頼りにしてるよー?」

「オレらボス戦で体力と鬼力きりょく、温存したいからな」

「帰ったら片門であげるねー?」(誤字)


 この洞窟ダンジョンでは部屋に突入すると一気にモンスターが大量発生する。そこで俺の範囲攻撃スキルが役に立つというワケか。

 敵を一網打尽にすると仲間が討伐部位やドロップアイテムを物色していく。俺も興味がないワケじゃないがスキルの連続使用で少しでも休憩したい。


 そうこうするウチにボスの部屋に到着。今まで前衛だった俺を一番後ろの殿へ回し仲間達が戦う。ここのボスは体長6mのジャイアントオークか。

 ジャイアントオークの攻撃は凄まじいものの動作が単調なのでメンバー達に当たる事はない。しかし耐久力が半端ではないのでこちらの攻撃にはビクともしないようだ。

 それにしても心なしかメンバー達は力を温存していたという割には動きが冴えないような?


「クソがっ!なんつー脂肪ダルマなんだよ!!」

「私のファイアアローが効かないよー!」

「ザコ戦は新入りに任せてしっかり温存してたのに…」

「ちょっと!休んでないでアンタも手伝いな採用!」(誤字)


 こっちはザコ戦との戦いで鬼力きりょくを消耗しきってるのに無茶を言ってくれる。まあ致し方ない、このままだと全員タコ殴りで攻略失敗だ。


 とはいえ範囲攻撃スキルを使おうにも後1回が限界。オークの分厚い皮膚を通り越して俺の電撃が通用するものか?考えろ、考えなきゃ俺もメンバー達と同じ目に会っちまう。頭を使え!


 …あれ?頭を…そうか!脳みそにさえ攻撃が通れば身体は動かん!問題はその脳にも俺の範囲攻撃の射程距離が届くかどうか…いや直接叩けばあるいは!


 メンバー全員にオークの足元へ攻撃を頼む。要するに足をこかして倒しちまうワケだ。見事タイミングよく派手にコケたオークの頭に向かう。そして俺は攻撃の力を右手の一か所に集中させて放つ!!


 見事ジャイアントオークは沈黙した。


「ぉ、おぅお疲れだったな新入り…次はどこのパーティーに行くんだ?」

「あ、あなたの活躍は…アタシらがあってのものだからね!」

「それまでカッチリオークの体力削ってたかんな!」

「私たちよりも断然ぅぇ…じゃなかった、もうでて言って!」(誤字)


 気がついたらまた追放されていた。ちゃんと指示通りに動いてたしチームワークもこなしたのになんで追放されるんだ?実は俺って空気読めない?



 ~戦果報告~

[一点集中]

 範囲攻撃を片手に集中させ電属性の攻撃の威力を倍増。威力・使用時間は10倍に増え鬼力きりょくの消耗は10分の1以下に抑えられる。


 使用可能スキル:弱体化・範囲攻撃・一点集中new!!



◇◇◇

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