第2話 日常
「試合始めるぞー。
5人1組のグループ作れー。」
彼女が転校してきてから2週間が経った。
転校してきた次の日から1週間、彼女はなぜか学校を休んでいて、久しぶりに顔を見た。
凛としていて、長い髪には艶があり、瞳は透き通っている。胸が高鳴るのを感じながら、彼女の事を考えていると…
ドンッッ
「ッ痛ってぇ!」
「霄、何ボケっとしてんだよ。」
「痛てーよ侑汰。」
俺が赤ん坊の頃から一緒にいる所謂、幼馴染?とかいう存在の、東 侑汰(あずまゆうた)にバスケットボールをぶつけられた。
何も投げつけてこなくていいだろ…。
「そういやあの転校生、まじかわいいよな!」
「んー、そうか?」
「またまたー。」
「なんだよ…。」
「転校初日に霄、見惚れてたじゃん。」
「そ、そんなんじゃねーよ!!」
「顔真っ赤にして、嘘が下手くそでちゅねー。」
「うっせえ!」
「おーい、そこサボるなー!」
侑汰のやつ…。
休憩をしようと、水飲み場に行く途中、
久我山が座って見学しているのが目に入った。
まだ体調が悪いのかと心配になった俺は、
声をかけた。
「久我山、久しぶり。
体調まだよくないのか?」
「うん。」
「そっか。あんま無理すんなよ。」
あああああ。すっげえ可愛いけどすっげえ冷たかったな。俺完全に嫌われてるわ。
その後も、その事をひたすら考えていたら、5限目になっていた。
「霄ー…」
「松本の授業だからパス」
「はあああ!お前どこ行くんだよ!
おい!!」
授業サボるの癖になってきてるなと感じながら、やっぱりめんどくさいからサボろうと、今日も屋上に向かう。扉を開けると、そこにはフェンスに腰掛けている久我山が居た。
「よっ。
久我山はほんとフェンス好きだな。
危ないからやめとけよー。」
そう言って俺は、定位置に腰掛けた。
フェンスから降りてきた久我山が俺に言った。
「ねぇ。ひとつ聞いていい?」
「ん?」
「安藤君は、死について考えた事ある?」
「考えたことか…あんまりないな。なんで?」
「聞いてみたかっただけ。」
なぜ久我山が、こんな質問をしてきたのか、
この時の俺はまだ知る由もなかった。
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