第6話
終業式の日。一葉が学校に来る最後の日。
長い校長の話が終わり、夏休みの宿題を配られた後。ウチのクラスではお別れ会が始まった。みんなで寄せ書きをした色紙は、文字で生活する彼女にとっては最高のメッセージを伝える方法だったと思う。彼女は拍手の中、黒板に
あ
り
が
と
う
と大きく書いて、ニコッと笑った。
夏休みが明けて、いつも通りの生活に戻った。いじめっ子はまた別のターゲットを探し始めた。
「ねぇ、〇〇ちゃん(リップ)やばくない?」
「それな(なにいろけずいてんだっての)」
「お前らの化粧のがコエーよ」
たまには言いたいこと言うのも吉かな。
一葉とはあれから手紙でやりとりをしている。もともと文字でやりとりしてたからそんなに変わりはない。けど、顔が見えないと何考えているか不安で慎重になる。
彼女と話した七夕の時みたいだ。
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